第324話 バリエーション豊かな飯テロ

『みなさん、ミオンの二人のんびりショウタイムへようこそ!

 実況のミオンです。よろしくお願いします!』


【コックリ】「いきがい」

【リクレー】「はじまた!」

【ブルーシャ】「釣り服かわい〜(๑>◡<๑)」

【ガフガフ】「ショウ君はよ!」

 etcetc...


 ヤタ先生の話だと、ライブ待機してた人数が2万人近くいたそうで、今日のライブは5万人ぐらいになるんじゃないかっていう。

 PV効果なのかなあ……


『それでは、さっそく島につなぎますね。ショウ君、ルピちゃん、スウィーちゃん、トゥルー君〜』


「ようこそ、ミオン」


「ワフ〜」「〜〜〜♪」「キュ〜♪」


 今日のスタートは港の倉庫前。

 石壁で作った長椅子に腰掛け、右にはルピ、左にはトゥルー、肩にはスウィーのいつもの配置。


【デイトロン】「<祝!PV出演(3回目):10,000円>」

【ルタイバ】「ワークエの順位教えて!」

【キンコン】「<翡翠の女神像ありがとう!:1,000円>」

【シェケナ】「<女王様の歌声に♪:1,000円>」

 etcetc...


 うわー、なんかすごい勢いで投げ銭が……


『あ、ありがとうございます』


「えーっと、今日の予定からでいいかな?」


『お、お願いします』


 滝のように流れていく投げ銭の山。なんかもう慣れたっていうか、うん。

 気にしてもしょうがないし、収まるのを待ってると先に進めなそうなので……


「今日は、いや、今日もかな。のんびりとセルキーたちとご飯を食べて、あとは質問タイム多めのつもり」


『はい!』


【ピューレ】「いいよいいよー」

【マーシー】「本土もようやくまったりできそうだよ〜」

【サテナー】「女王様の歌声お願いします♪」

【チョコル】「今日の飯テロは何〜?」

 etcetc...


 というわけで、今日のメインディッシュを作りに移動。

 ルピたちには待っててもらいつつ、俺は倉庫を改造した調理場へと移動する。


「今日はロブヌスっていう、大きなエビをもらったから、それをソテーにして、いろんなソースで食べようかと」


 シンプルに塩コショウでソテーしたものを、グリーンベリーを絞ってかけたり、ライコスソースをかけたりで。


「「キュ〜♪」」


「おー、ありがと」


 セルキーの子たちが先にいつもの南蛮漬けを作ってくれてたんだけど、俺のために場所を開けてくれる。

 そこには、体長30cm超えのロブヌスがどーんと5匹!


【マーサル】「でかっ!」

【ヒラリ】「料理長の登場ですw」

【マスターシェフ】「ほほう、ソースのバリエーション良いねえ」

【クショー】「何人前分あるんだ、これ……」

 etcetc...


 生でも食べられそうだけど、豪快にふたつに割って焼き始める。

 その間にいろいろなソースを作ろう。


【ノンノンノ】「もうそれだけで美味しい(確信)」

【モルト】「ああ〜、いい音じゃ〜」

【リーパ】「ワインに合いそう……」

【デイトロン】「<ロブヌスのソテー代:5,000円>」

 etcetc...


「今回は塩と白コショウを軽くしてあります。何もかけなくても美味しいと思うけど、シンプルにグリーンベリーを絞ってとかでも美味しいんじゃないかと」


 食べる前にぎゅっと絞ってからお召し上がりください的なやつ。


「じゃ、最初は甘酢あんを」


 クルーぺソース(魚醤)、ちょっと臭みがあるので先に煮切って臭いを飛ばす。

 そこに水、パプビネガー、オステラソース(オイスターソース)、片栗粉を加えて……ちょっと味を確認。


「おっけ」


 キャロッタ(ニンジン)とケーパ(タマネギ)を薄切りして、フライパンでサッと炒める。

 焼き上がったロブヌスの半身にそれを被せ、その上から甘酢あんをたっぷりかける。


【ヒカルン】「うわーうわーうわー!」

【デイトロン】「<ロブヌスの甘酢あんかけ代:5,000円>」

【セイキ】「焼酎! いや紹興酒!」

【ストライ】「マジ腹減る……」

 etcetc...


「で、次は……」


 悶えてるコメント欄をスルーして、取り出したのはエクリューチーズが入った瓶。

 鑑定して……いや、ライブでやるとまずい気がする。これだってウリシュクたちの恩恵がついてそうだし。

 エクリューチーズ、結局、使ったエクリューミルクの半分の量ができた。この辺はゲームだからなのかな?

 ともかく、今、遠慮して使うほどでもないことがわかったので良し。


「エクリューチーズができたんで、これでチーズ焼きを作ろうかなと」


 個人的にチーズにはタマネギとトマトの輪切りが最強だと思う。

 フライパンでそれぞれ輪切りを軽く焼いてから、いい感じに焼けてる半身の上に乗せる。

 最後にスプーンですくったチーズをドンと被せて、


「軽く炙って」


 火の精霊にお願いして溶かし、さらに焦がしチーズにすれば完璧!


【タイコスキー】「暴力的なチーズの香りがセルキーたちに襲いかかる!」

【ドラドラ】「焦げチーズ美味いんだよな……」

【アシリーフ】「エビ! トマト! チーズ!」

【デイトロン】「<ロブヌスのチーズ焼き代:5,000円>」

 etcetc...


「はい、これもお願い」


「キュ〜♪」


 あとはライコス(トマト)ソースや、クレフォール(わさび)を混ぜたルディッシュ(ダイコン)おろしソースなんかも。


「白身魚でも美味しいと思うんで、タラとかでやってもいいっすよ」


【チャリンボウ】「バリエーション多すぎぃ!」

【カリン】「めっちゃためになる〜」

【マスターシェフ】「冷凍の白身魚フライにもいいよね」

【ワショー】「早く食べよう!」

 etcetc...


 白身魚のフライも作りたいんだよなあ。

 小麦、確かコハクっていうんだっけ? 手に入ればパンも作れるようになるし、フライもできそうなんだけどなあ。


「キュ〜」


「ワフ!」


「おっと、じゃ、さっそくみんなで食べようか!」

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