第225話 女神降臨?
【短剣スキルのレベルが上がりました!】
【短剣アーツ<武器落とし>を習得しました!】
【調教スキルのレベルが上がりました!】
【ルピがアーツ<クラッシュクロー>を取得しました!】
【盾スキルのレベルが上がりました!】
【盾アーツ<シールドバッシュ>を取得しました!】
【エリアボスを討伐しました】
【島の古代遺跡エリアを占有しました】
「勝った?」
『すごいです!』
翡翠色の光が収まり、光の精霊のあかりだけが通路を照らす。
マルーンレイスが居た場所には、ぼろぼろになったローブが落ちているだけ。
「ワフッ!」
「おわっ!」
飛び込んできたルピを受け止め、撫でてやろうとして気づいた。
右手に握っていた女神像がすっかり変わっていて、曇った銀色でのっぺりとした姿がどこかへ行ってしまっている。
薄緑がかった光沢のあるそれは、女神らしいドレスを着ていて、その顔が……
「あー、ごめん……」
『え?』
ミオンそっくりになってる。
これって確実に俺のせいだよなー……
『そ、それよりもスウィーちゃんたちは?』
「ああ、そうだ! スウィー、みんなも大丈夫?」
「〜〜〜!」
振り向くと「やったぜ!」って顔のスウィーがサムズアップ。
『みんな無事で良かったです……』
フェアリーたちも無事を喜び合ってるんだけど、地べたに押し付けられたせいか、みんな薄汚れた感じになってるし。
「はあ、良かった……」
俺とルピは死亡判定になっても、山小屋にリスポーンするけど、スウィーもフェアリーたちもそうはならないよな。多分だけど……
いくらNPCとはいえ、ここまで慕ってくれてる彼女たちが……ダメだな。今後は危ない場所は連れて行かないようにしないと。
そういえば、IROってリザレクションってあるのかな。いや、それがNPCに効くかどうかもわからないか。
右手の女神像をじっと見つめてそんなことを考えていると、
『あ、あの、ショウ君?』
「うわ、ごめん。えーっと、鑑定しようと思ってたんだった」
【翡翠の女神像】
『古代魔導文明の時代に各家庭に置かれていた女神像。
捧げられた信仰によって、心身の平穏と自然の恵みをもたらしてくれる翡翠の女神像へと変化した』
うん、変わっちゃってる。
これって実は魔導具だったとかそういう?
「神聖魔法スキルを取ってたら何かわかってたとかかな?」
『そ、そうかもですね』
ミオンの返事がまだちょっとぎこちなくて。
そりゃ、勝手に女神像にされちゃうとか気持ち悪いよな。はあ……
「あと、なんかいろいろレベルアップしたりしてたっけ」
スキルのレベルアップに加えて、アーツもいろいろ習得してる。
それに、最後にエリアボス討伐と古代遺跡エリアの占有か。
今回はアライアンス組んでたから、エリアボス単独討伐はなしなのかな。あれはあれでワールドアナウンス出ちゃうから、なしで良かったと思おう。
「エリアボス倒したって出てたけど、今回はセーフゾーンなしか……」
『この先にまだ危険があるんでしょうか?』
「うーん、でも、さっきのマルーンレイスってのがエリアボスなら、あれより強いのはいないんじゃないかな」
あいつも最初から神聖魔法で対策できてれば、そんなに辛い相手でもなかったかもなんだよな。
普通のモンスターなら、倒したあとにも鑑定できるんだけど、アンデッド系、特にゴーストとかそっち系は後から鑑定できないのが辛い。
「まあいいや。そろそろ動かないと」
『ショウ君、MPは大丈夫ですか?』
「あ、うん、まだ大丈夫。けど、精霊の加護はいったん解除するよ」
一応、気配感知でもう敵はいなさそうなのを再確認してから、精霊の加護を解除。
MPがもりもり回復し始めるのに加えて、
「ワフ」
ルピがマナエイドでMPを分けてくれ、一気に8割まで戻る。
「ありがとな」
「ワフ〜」
ルピをもしゃもしゃしてると、目の前にスウィーが現れて、ちらっちらっアピール。
フェアリーたちも褒めろってことですね。
「スウィーもフェアリーのみんなもすごかったよ。ありがとうな」
「〜〜〜♪」
うんうんと頷きながら、ふんぞりかえるスウィー。
「みんなはMP大丈夫? 結構な頻度で援護してくれてたけど」
「「「〜〜〜♪」」」
そう聞くと、フェアリーたちが三人一組になり、一人抜けては一人入って、みたいなダンスを披露してくれる。
『交代で精霊魔法を使ってくれてたんですね』
「なるほど。頭いいなあ」
それに気を良くしたスウィーがさらにふんぞりかえり、空中で転びそう(?)になってフェアリーたちに支えられる……
『少し休憩しますか? 今は9時半をまわったぐらいですけど』
「うーん、休憩もここじゃちょっとな。ルピ、スウィー、休憩するならさっきの岩棚のところに戻るけど?」
その問いに二人とも首を振る。
フェアリーたちもお互い顔を見合わせて、うんうんしてるので大丈夫そうかな。
帰りを考えると10時過ぎには、戻るかどうかの選択をしたいところだし……
「じゃ、さくっと先へ進んで、もう少しマシな場所で休憩にしよう。でも、本当に無理はしないでくれよ?」
「ワフン」
「〜〜〜♪」
………
……
…
通路をまっすぐ奥へと進む。
道幅や天井までの高さはいつも南側や北側に行く通路と同じ。
ただ、あかりがついてないのは、やっぱり機能停止してる感じなのかな。
「お、部屋かな?」
あかりに照らされた端に、半開きの扉が照らされる。
気配感知に引っかかるものはないけど、用心に越したことはない。
足を止め、精霊の加護をかけてから剣鉈を手に取る。
「ルピ、お願い」
「ワフ」
するすると無音で前進するルピに、いつでも追いつけるように前傾姿勢。
扉の前で慎重に様子を伺い、少し進んで中を覗き込んで、
「ワフン」
「さんきゅ」
剣鉈を鞘にしまってルピの元へと。
自然に駆け足になるんだけど、スウィーたちも遅れずについてきてくれる。
「ん、部屋っぽいけど……」
『随分と散らかってますね』
広さは教室の半分ぐらいかな?
結構広いと思うんだけど、あちこち荒れ放題というか、いろんなものが床に落ちてるし、それを入れてた箱も棚も横倒しになってたりと……
「片付けしたい」
「ワフン」
ルピも綺麗好きだもんな。片付けはいつも手伝ってくれるし。
奥に目をやると、右手奥にまた扉が半開きになっている。
「向こうの扉を確認してくる。ルピとスウィーたちは来た扉の方を見張っといて」
この辺にいたアンデッドは、多分、さっきの扉のところで全部倒したはず。
あれも多分、厄災から逃げようとして、解錠コードで詰んだんだろうな……
「よし、何もいないな。ちょっとここで休憩しよう」
『はい』
扉を両方とも閉めておけば、この部屋は安全なはず。
まずはこっち側をきっちりと閉めて……
「スウィー、何やってんの?」
来た方の扉はフェアリーズ(1)がちゃんと見張ってくれてるっぽいけど、スウィーたちフェアリーズは部屋のあちこちをふらふら飛び回っている。
「〜〜〜♪」
「ん? これは指輪?」
【蒼月の指輪】
『古代魔導施設の最上位管理者が着用した元素魔法を補助する指輪。
【鑑定スキルのレベルが上がりました!】
「は?」
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