第十四業最終決戦?戯れの一幕後編
どこかでロケット花火がパンッ!空で弾けたような音がした。
「おいこら猿共!盾なれや!」
「無理を言いいなさるな!」
頭部から出血しながら樹木の間を駆ける緋走村邪こそが緋色に走っている事になる、こと彼が東京郊外の奥多摩でもあった事だった。
狙撃手がいる、こちら側の山、そしてあちら側の山、大きな川がその二つを二分する。
あちら側の山に狙撃手がいる。
刀、そして手裏剣、
移動速度が速い、そしてこちらの移動速度、移動先への把握も確実に速かった。
異能、それも自分の武器を補助するためにあるような軍人のためにあるような異能だ。
ここで極限殺気で距離を詰めても無駄だろう、それさえも、計算にある、不味い、呪禁、それは反異能の異能で、それは昔は誰でも使えたが誰でも使えなくなっていった。
「俺と同じ
スレンダーマンのようなヤツといい、妖精眼のヤツといい、不死身じゃなかったら死んでいた、不死身は異能ではなく村邪という魔導具になる前からの異能ではない『何か』だ。
自分以外の血の匂い、段々と分かってきた、無明というのが晴れていって『叡智』を得られていった証、その『何か』も狙われた。
「ふむ、マタギのゲームと退魔師のゲームは別々としよう、前者がインディーズで……」
独り言の途中に右頬と左頬が穴で貫通した。
「こうしぇが……チェッ!」
うまく言葉が発せられなくなった。
言葉遊びだが、八咫烏は
目には目を歯には歯を、銃には銃を。
PGM ウルティマラティオ / PGM Ultima Ratio 小銃(狙撃銃)、軍・法執行機関向け高精度スナイパーライフルを製造しているフランスのPGMプレシジョン社(PGM Précision)が開発した、ボルトアクションスナイパーライフル。「ウルティマラティオ」という名称は、ラテン語で「切り札、最後の手段」を意味する。モジュラーシステムを採用しており、フリーフロート設計の銃身は、用途に応じて簡単に交換が可能である。銃口部にはマズルブレーキを備え、バイポッド、ピカティニーレール、ピストルグリップを標準装備とする。バットストックは折畳みと伸縮が可能なリトラクタブル仕様で、調節可能なチークパッドと、折畳み式のモノポッドを有する。
それを
「極限殺気、天罰必中じゃなくとも必中よ」
銃声、その音のなった方にポージングも照準も定めず無造作に横に向けた狙撃銃から狙撃する。それはもう愚行に近い。
だが、彼は違った。
「
極限殺気、殺しの目的は必ず達する異能。
そうして、ありきたりな狙撃銃からの銃声はそこから夜明けまで鳴ることは無かった。
氷のナイフはミステリーでは忌避されるが殺傷性のある水鉄砲もミステリーで忌避されるべきだろう。その水鉄砲は異能の物体という形になった姿であり、暗器でもある。
「
通常通り、ただ真っ直ぐ、放たれた。
それが当たる前から接近していた。
当たる、そこから更に。
「
大きな
それを食らっていく。
「手札は沢山ある、
「
「なっ!」
彼の片腕の異能が違っていた、放電ではなく帯電、それはまとわりつかせるという形だ。
それによって顔面を殴られた。
音速、光速いや雷速というべき速さ。
それによって仰け反る。
そして更に
「
膝蹴り、膝パンとも呼ばれた、それは中国格闘技にとっては裏の技の一つである。
強靭な脚力で飛び上がりながら相手の顎を狙う、そうして、それは必殺技の一つである。
「ぐぅっ!」
それに対してカバーが出来なかった。
距離を空ける、するとそこに。
「
蛇のよう、いや蛸のように腕が伸びた右拳、それによってまた顎を殴り抜けた。
通常化した空間、顎というのは人体の急所であり、そこにクリーンヒットすると脳を揺らすことが出来る、それが二度も続いたのだ。
普通なら立っていることすらままならない。
「さてと!
縦方向の雷、横方向の雷、現実というのは非情であり、罪なき者も裁かれて、罪ありき者こそが裁く立場になってしまうことがある、それを無理を通すとも言うが断じて行えば鬼神も退くとも言う。それが暴力だ。
「
そうして謎の男がしようとしたら。
「あらあら、お兄様トドメですって!」
「そう、言うなよ弟、かわいそうだろ」
双子の兄弟、革靴、学生服、それに学帽子をしている、瓜二つであり、最初から整形したような美しさをしている美少年が二人。
「
「ん?なんだい、弟?」
「なんですか?お兄様」
「お前じゃない」
「お前もでしょ」
「そうだったな」
「そうだったよ」
「
「
「………しかし………」
「黙れ」
「黙れ」
「………」
「またあんな目に
「またあんな目に
上には上がいる、次元が違うという話。
それはその戦闘の一幕が戯れに過ぎないように見えてしまうほど明らかな差異があった。
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