第343話○瑠乃の舞台公演!

 渋アリへ到着すると、智沙都さんの案内で瑠乃の楽屋へと向かう。今回、瑠乃の楽屋は楽屋B4B35という個人用としては大きい方の個室が割り当てられていた!すごいなあ。

 瑠乃の楽屋へ入ると瑠乃は不在だったけど、太田さんと華菜恵が中で仕事をしているところだった。


未亜・彩春・朋夏「「「おはようございます!」」」

太田「おはよう。瑠乃はいまリハ中よ。」

未亜「そうなんですね。」

華菜恵「そうだ、いろはっち。Tlack、さっき見たんだけど、私は、ゆりっちの出張に付き添いで3日間とも仕事なんだよね。」

彩春「そうかあ、それなら仕方ないね。」

智沙都「それってなんの話?」

彩春「あっ、智沙都さん。」


 智沙都さんが興味を示したので安比旅行の件を私たち3人から説明する。


智沙都「それならここなちゃんの三陸ロケ、私の代わりにいけばいいと思うよ。私が優璃ちゃんの付き添いに入るから。いいですよね、太田さん?」

太田「華菜恵ならバッチリやってくれるからいいわよ。」

華菜恵「えっ!いいんですか!?」

太田「7日も休みにすればいいけど、そのかわり、オフにしていた8日はデスクワークを頑張ってよ。」

華菜恵「それはもちろんです!」

彩春「ここなちゃんのロケは新幹線で移動なんですか?」

太田「いや、車よ。だから華菜恵の軽自動車でいく感じね。」

智沙都「華菜恵ちゃん、運転頑張ってね!」

華菜恵「頑張ります!」

太田「じゃあ、関係先にはこのあと同行者が変わるって連絡しておくわ。」


 華菜恵も参加になった!嬉しいなあ。瑠乃がリハをしている間に3人で新幹線の時刻とかを確認して、へべすがTlackへ流すことになった。


 日向夏へべす 16:52

 集合時間は東京駅に13時。13時20分のみちのく25号に乗るよ。盛岡には15時32分着だね。

 岡里いろは 16:53

 ここなちゃんは華菜恵の車で直接うちの実家来てね。

 沼館華菜恵 16:53

 いま確認したら16時半までには着けるね。

 雨東晴西 16:53

 そうしたらこの前頼んだところにまた11人乗りのコミューターを依頼しておくよ。盛岡に新幹線が到着する時刻を伝えて、そのくらいの時間に来てもらうように予約するね。

 上水ここな 16:54

 判りました!華菜恵さん、よろしくおねがいします!

 岡里いろは 16:54

 じゃあディナーは18時から予約しておくよ。

 鶴本ラン 16:55

 5日の朝に写真集の撮影が終わったら私もいく。いろは、実家の住所、送って。


 ええっ!?ランさん、来られるの!?


 岡里いろは 16:55

 えっ!ロケからですか!?えーと、住所は岩手県二戸郡安代町安比細野1145-14です。ランさん、ロケってどこですか?

 朱鷺野澄華 16:56

 虎岩さんも一緒にいらっしゃるんですか?

 鶴本ラン 16:57

 ロケ地は沖縄。いま確認したらもともと9時くらいの飛行機で羽田に飛ぶ予定だったから東京駅から新幹線で行けばいいわね。飛行機が遅れなければ13時20分のみちのく25号に乗れそう。

 鶴本ラン 16:57

 宥雪さんは東京へ戻って仕事があるから私一人ね。6と7はオフに充ててたからちょうど良かった。個室とかいらないから大広間でみんなと雑魚寝させてね。

 岡里いろは 16:58

 はい、それは問題ないですが、布団が10組しかないので増やせるか実家に確認してみます。


 彩春が実家に確認すると大広間は消防法上12人が定員で、それにあわせて地下の倉庫に予備の布団を用意してあるから11人なら問題ないとのこと。いろいろと解決したので決行することになったけど、なんかこの行動力、みんなすごいね!


 そんなやりとりをしていたらリハを終えた瑠乃が戻ってきた。


瑠乃「あっ、みんなありがとう!」

未亜「圭司とかは開演時間くらいで来るけどね。」

瑠乃「それでもだよ!いい演技見せるからね!」

朋夏「うん、楽しみにしている!」


 安比行きの話をしつつ、少し雑談をしていたら開場時間になった。あまり長居しても良くないので、三人で関係者席へ移動する。席までたどり着くと既に紗和・明貴子・圭司がそろっていた。


彩春「お疲れ!」

明貴子「あっ、おつかれー。」

朋夏「紅葉は?」

紗和「ギリギリに入るって。急遽直しがあったみたいでさっきDMが来てた。」

未亜「紅葉もなかなか大変だよね。」

朋夏「売れっ子さんだもんね!」


 開演時間ギリギリになって紅葉もやってきて、無事に全員そろって瑠乃の公演を見ることが出来た。今日の舞台は、いろいろな事情から特定の交友関係を持たないようにしてきた男の子が様々なトラウマのせいで人前に出ると呼吸が出来なくなってしまう女の子の家へプリントを届けたところから始まるラブストーリー。原作の小説はいま密かなヒット作となっているらしい。瑠乃の役どころは、二人の交流、そして交際へと発展していく過程を温かく見守るボス猫という難しい役どころ。猫であるように見せるのってものすごい難しいんじゃないかと思うんだけど、ちゃんとそこにはボス猫が存在していた。やっぱり瑠乃って俳優としての素質があるよね。


 瑠乃の演技を見ていて思ったんだけど、ドルプロの声優さんたちもライブではアイドルを演じているわけで、あの環境で様々な人の振る舞いや演技を体感することは俳優として活動するに当たって、ものすごい良い体験になれそうな気がする。せっかくもらったチャンスだし、声優も俳優もシンガーもアイドルもとことんまで突き進んでいきたいよね!今日は瑠乃からいいサジェスチョンをもらったぞ!


 ――――――――――――――――


【作者より】


 舞台で演じられた演劇の原作としてイメージした作品はこちらです。素敵作品なので未読の方はぜひ。


 君がいるから呼吸ができる 

 https://kakuyomu.jp/works/16816452219719674555

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