第218話●まだまだ旅行の打ち合わせをしよう!
少し雑談が続いたあと、今度は少し真面目な話で今回かかった経費はちゃんと領収書を取って、朋夏さんにプレゼントすることになった。いまも正確には朋夏さんのお金だしね。
「えっ!?いいの!?」
「いいよ、弱小サークルでも確定申告で税金大変なんだから朋夏ちゃん、配信の収益にかかる税金すごそうだもん。」
「私はまだそういう世界にいないからよく判らないけど、朋夏が受け取るといいよ!」
「私の惚れた朋夏の心意気に志満も瑠乃も惚れちっゃたって!」
「えー、私は慧一に惚れてもらえればいいけどなあ。」
「ともちゃん、すぐのろけるから領収書没収ね。」
「あっ、ひどい!紅葉ちゃんだって、絶対にのろけるよ!」
「えっ!?そんなことは……多分……ゴニョゴニョ。」
「はいはい、みんな話を先に進めるよ。」
やっぱりなんとなく仕切る役になるのは華菜恵さんなんだなあ。このメンバーをここまで仕切れるのって大崎のマネージャさんとかでも下手したら無理かもしれないのにすごい。
「それでね、えーと、今年は雪が多くて、特に安比温泉スキー場はここ数年では最大の積雪量と最高の雪質で大混雑しているから気をつけてって。」
「えっ、そんな中でお邪魔しちゃっても大丈夫なの?」
「うちのペンション、安比温泉スキー場の中央ゲレンデから少し離れているから平日は埋まりにくいんだよね。今回はちゃんと正規の宿代をもらうって親には伝えたからむしろ助かるって感謝されたから安心して。でも土日祝日は去年の11月から4月のゲレンデクローズまで大部屋も予約で一杯だって。」
「へー!」
「それで、女性用に大部屋、男性陣には2人部屋を3室用意してくれたって。ベッドがキングベッドだからさすがに交際しているわけでもない男性二人で寝るのは抵抗あるんじゃないかっていう配慮で一人一室になってる。」
「4人部屋じゃないんだ。」
「うん、もう全室予約が入っているって。逆に2人部屋は3室丸々空いているんだけど、もうこの時期だと多分埋まらないから出来れば使って欲しいっていわれたよ。」
「じゃあ大丈夫だね。」
「うん、大丈夫!あと、シャトルバスはペンションに泊まる人も無料で乗せてもらえていたんだけど、そんな感じで大混雑しているから臨時便も出る大盛況で、今年はホテルの利用者だけになっちゃったんだって。有料の高速バスも一日一本あるんだけど、積み残しが出るくらい混雑していてやめた方がいいっていわれた。タクシー分乗っていうのも味気ないんだけど、列車は本数がすごい少ないんだよね……。」
「それなら運転手付きのマイクロバスを借りてもいいかもしれない。」
「そっか、その手があった!」
早速調べてみると盛岡駅から安比温泉スキー場まで11人乗れるコミューターが5万円から7万円程度で借りられることが判った。とりあえず見積もりをもらうことにする。
その後、新幹線の時間なども決め、3日は彩春さんが定期配信に間に合うように東京へ帰ってきたいということで少し早い時間帯を調べて押さえてしまう。ネットから予約が出来るのは本当に楽だよね。
「じゃあ、まとめていくね。」
最後のまとめも華菜恵さん。みんなそれが普通になってきているのはすごい。
「えーと、行きは14日9時に東京駅八重洲地下中央口改札内にある銀の鈴ね。マンション組はみんなで待ち合わせてくるのかな?」
「そうしよう。あとでまとめておくよ。幸大も大学の近くに住んでるんだから合流して一緒にどうだ?」
「そうだな。あとで集合時間教えてくれ。」
「判った。」
「私は市川から直接東京駅へ行くね。しまっちともみっちはどうする?」
「どうせ、前日はもみーの事務所で遅くまで仕事だろうからそのままもみーの事務所に泊まって、一緒に行くよ。それでいいよね?」
「うん、しーちゃんについていく!」
「じゃあ、そういうことで。新幹線は9時36分のみちのく13号だね。朝ご飯は駅の中で駅弁買って新幹線で食べるとして、11時46分に盛岡に着くけどバスの時間はどうしようか。」
「うちの親が13時以降ならランチ出してくれるって。盛岡駅からうちの実家までだいたい1時間くらいだから12時に盛岡駅3階にあるバス広場まで来てもらって、家について部屋に荷物を置き次第、ランチということでどうかな?」
「うん、いいよ!そうしよう!たかっち、それでいい?」
「うん、了解。見積もりが来たらそれで頼むよ。」
「あとは帰りかな?いろはっちは事務所には何時頃着いていたい?」
「事前の打ち合わせもあるから18時には着いておきたいかな。」
「その日は私も事務所で打ち合わせだから一緒にタクシーで移動しようか。」
「朋夏も事務所行くんだ。そうしよう!」
「そうすると東京駅から30分も見ておけばいいかな。」
「じゃあ、東京着17時半くらいの新幹線。たかっち、いい時間の電車ある?」
「いま見てみたら盛岡14時50分発のみちのく28号で東京着が17時3分だな。」
「そうしたらじゃじゃ麺を食べて帰ろう!」
「彩春、じゃじゃ麺ってなに?」
「未亜には油そばっていうと判るかな。あんな感じなんだけど、わんこそば、冷麺と並ぶ盛岡のソウルフードだよ!」
「彩春ちゃん!それ食べたい!」
「志満もけっこう食べるの好きだよね。発祥のお店が駅ビルに入っているから少し早めにうちを出ようか。帰りは念のため2時間くらい見ておいた方がいいかも。今年は雪がすごいんで、東北道が速度規制しているかもしれないから。あとお店の方も全員一度に入れない可能性もあるからその時間も考えるとチェックアウト時間の10時にそのままうちの実家を出る感じかな。」
「わかった。じゃあ10時にいろはっちの実家を出て、12時くらいに盛岡駅。じゃじゃ麺を食べて、14時50分の新幹線で東京だね。」
「バス会社さんにはそれで聞いてみるよ。」
「たかっちお願い!」
「諸々決まったところで、今日は会社近くのお店へ行って晩ご飯をみんなで食べよう!わたしがおごっちゃうよ!」
「朋夏、あの店好きだよねー。」
「彩春も最近また顔を出しているってお店の人に聞いたよ?」
「あっ!実は配信再開したらウルギフが予想以上に来ているだけじゃなくて、スマイルの有料会員もすごい人数入ってくれて新人声優とは思えない収入になったんだけど……。」
「それで?」
「ドルプロのスマ生とかに出ることが増えたせいか、食事の時に変装を外すと顔バレすることがちょくちょくあるから事務所で打ち合わせするときとかは個室で食事が出来るあの店をまた使い始めました……。」
「そうするとデンキトとか使いづらいね。」
「いや、あそこで食事をするときは通路から見えないところに座れば大丈夫だと思うよ。」
「そっか!瑠乃も気をつけないとね!」
「うん、でもその前に早くそういう悩みが持てるように頑張らないとね!」
「じゃあ、今日はこのあとともっちのおごりで食事会、でいいのかな?何時から?」
「20時から予約してあるから19時半くらいに出ればいいと思う。」
「あと20分くらいだね。片付けはじめちゃおうか!」
そのあとはみんなで楽しく食事をした。本当にいい仲間だよね。日々楽しく過ごせていてありがたいよ。
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