第221話○日向夏へべす公式チャンネル「夜野月光さんがデビューしたから紹介するよ!」生配信後半戦
三人ともいい感じにトークを進めている。空気感はとてもいいね。
「でも晒されたおかげでそこからの展開がすごかったから、本当にへべすには感謝している。」
「えへへー、それほどでもないけどね。」
「ほら、へべす、ちゃんと経緯説明しないと。」
「そうだった!それで、私が紹介したことで、動画が歌ってみたの公式タグランキングでしばらく一位になって、『週刊スマイル歌ってみたランキング』っていう動画でウィークリー総合1位になったんだってね。」
「まさか週刊歌らんで1位になるなんて思ってなかったんであれは本当にビックリしちゃった。」
「それで大崎のマネージャさんの一人が見つけて、アイドルに勧誘、レッスンを経てついにデビュー、だそうです!」
「瑠乃をスカウトしたマネさん、美愛のマネさんなんでしょ?」
「そうなの。まさか早緑さんのマネージャにスカウトしてもらえると思ってなくて。」
「早緑様のマネージャさんによると早緑様の歌ってみた動画はたまにチェックしているらしいです。自信がある人はぜひスマイルにあげてみて下さい、だそうです。」
「美愛の曲って難しいから歌いこなすだけでも大変だよね。」
「本当だよ。渋谷バラードを歌ったんだけど、へべすの歌ってみたとか本当にすごいなあってビックリするくらい難しかった。」
「そうかなあ、歌っていて楽しいから歌っている感じなんだけどね。」
「それがすごい。」
「なんか私が褒められているけど、今日の主役は瑠乃だからね。このあとも瑠乃のプロフィールに迫っていくよ!後半へ行く前にいったんここで3月からBS鶴亀大崎で始まる私の冠番組のCMをが出来たのでぜひ見て下さい!どうぞ!」
おおっ、番組のCMも出来たのか!私の配信でもそうだけど、大崎エンタテインメントって映像作りがすごい上手だよなあ。
「さて、CMも見ていただいたところで、このあとは瑠乃のことをもっと深掘りしていくよ!」
「瑠乃ははじめからアイドル目指していたの?」
「実は本当はシンガーソングライターになりたくて。」
「えっ、そうなんだ!」
「でも、歌手としてのオーディションは全然受からなかったし、一から路上で歌おうにも人生経験も浅くて曲もたくさん作れるわけではなかったからどうしようかと思っていたところにアイドルとしてスカウトされたの。」
「よくアイドルになろうって決意したね。」
「最初は無理じゃないかと思ったんだけど、友人たちに心からやった方がいいよってアドバイスされたんだよね。」
「いい友達に恵まれたんだね。」
「うん、いろはのいう通りかな。まだレッスンだけだけど、やってみたら演技もダンスもとても大変だけど楽しくて。まずはアイドルを頑張って、いろいろなことに挑戦してみようと思ってる。」
瑠乃がなぜ歌うことが好きなのか、とか、アイドルとしてどんなことをしていきたいかとか、普通のトーク番組っていう感じになっている。けっこういろいろな話をするんだなあ、と思いながら聞いていると私の話題が出てきた!
「そういえば、瑠乃は美愛の曲をどこで知ったの?」
「友達に早緑さんの大ファンがいて、その人に教えてもらったのがきっかけ。」
「あー、あの人だよね。」
「いろはも知ってるもんね。それで、聞いたらものすごい良くてね。特に渋谷バラードっていわれているのがすごい好きで、確認したらスマイルの原盤利用許諾楽曲に入っていたからダウンロード販売しているインストを使って歌みたしてみた感じ。」
「早緑様の楽曲ってけっこうな数、原盤利用許諾されているんだよねー。みんな歌って欲しいよ。」
そうだったんだ!知らなかった!
「瑠乃はもう美愛に会ったの?」
「うん、けっこう会ってるなあ。さっきも話したとおり、私をスカウトしてくれたのが早緑さんのマネージャさんなんだよね。」
ここも上手いよね。トークスキルはちゃんと勉強しないと。まあ、大学で毎日顔合わせているもんね!
「番組とかで共演したい?」
「もちろん!尊敬するシンガーだからね!」
「実は、次の私の配信、ゲストで美愛が来ることになっているから瑠乃も出て!いいですよね?」
既に決まっているのをあえて聞くところもさすが。それが自然なんだよね……。
「大丈夫みたいだよ。」
「うん、大丈夫だね。じゃあ、ゲストということで!」
「そんなフリーダムに決めていいんですか?あっ、いいんですね。じゃあよろしくお願いします!」
みんな上手いなあ、本当勉強になる。そのあとも瑠乃に関していろいろと話を聞いて番組は終盤にさしかかる。
「おっと、もう1時間だね。よし、まだまだ話したりないからこのあとご飯に行こう!」
「瑠乃、へべすがおごってくれるって!」
「ええっ!?ちょっとつむぎ!?」
「へべす先輩さすがです!」
「瑠乃まで!?よし、瑠乃の分はおごっちゃう!」
「えっ、私の分は?」
「つむぎは自分で出すということで!」
「ひどい!」
「ほらそろそろ時間だよ!それでは、ゲストの」
「岡里いろはと」
「柊瑠乃と」
「日向夏へべすやった!みんな」
「「「さじーなら!」」」
本当に勉強になる配信だったなあ。と思っているとスタジオから三人が出てきた。
「三人ともお疲れ様!本当にご飯行くの?」
「うん、とりあえずつむぎと瑠乃とは行こうかな。マスケイさんも来るよね?」
「おう、いくよ。」
「美愛と華菜恵はどうする?」
「私は家が遠いから早めに帰って寝るよ。けっこう仕事が大変でね……。」
「えっ、華菜恵さん、そんなに大変?」
「華菜恵は効率よく仕事をこなしてくれるからついついいろいろとお願いしたくなっちゃうのよねー。」
「いろいろと頑張ってるんだね!?」
「うん、楽しくて面白いけどハードだよー……。」
「大学始まったらちゃんと配慮するからそれまでは修行だと思って頑張ってね!」
「太田さん、華菜恵って、そんなにいろんなことしてるんですか?」
「そうね、短時間社員と同じような仕事をもうお願いしているかな。」
「ええっ!?まだ学生なのに!?」
「華菜恵の実力はすごいわよ。」
ほへー、太田さんがそこまで頼むくらい華菜恵ってすごかったのか……。
私は圭司とご飯を食べようと思ったので、今日のお食事会はパスして一人で帰ることにした。圭司はまだ打ち合わせが続いているみたいだから帰ったらご飯を作ろうっと!
ちなみに審査員の件は朋夏から私に話すと思っていたらしい。沢辺さんの伝え方が悪かったみたいで、沢辺さんが平謝りに謝っていた。まあ、たいした話ではなかったので、太田さんから「気をつけてね」の一言でおしまいになったけど報連相は大事だもんね、沢辺さんが平謝りなのはよくわかる。私も気をつけよっと!
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