第266話 突撃

 ジンギギスタン本隊が村まで到着した。


 村で、籠城していた兵士も合流して、およそ4000弱、


 一方侵攻したはずが、防御陣形を敷いている州公が3000、

結構いい戦いになりそうである。 


 ジンギギスタン本隊が、雄叫びを上げて、侵攻を開始した。


 「おいらは、この戦いで戦果をあげて、必ず賤族から、常族に上がってやる」


 賤族たちの士気は高かった。


 「かぐわしき黄色い風よ、芳香をもって幸福を与えよ」

 「スカンク・プー」


 あたり一面に、黄色い煙が立ち込めた、

その煙はジンギギスカン本隊に向かって吹いていった。


 「なんだ? この黄色い煙は、う、くさ」

 「くさ、臭い」「くさ・・・」


 突進をしていた、ジンギギスタン本隊は蜘蛛の子を散らすように逃げていった。

 

 「なんだ、あの黄色い煙は、鼻が曲がる」

 「頭が、ガンガンする」


 「あの黄色い煙は、敵の魔法か?」


 「魔導師よ、何故風の魔法で吹き戻せなかった?」


 「風の魔法で吹き戻そうとしたのですが、向こうの魔力のが大きく戻せませんでした」


 「ところで、将軍さまはいずこに?」


 「張静将軍は、あの煙を嗅がれて臥せっておる、だから副官である私が来たのだ」

 「我が第一騎士団は、これ以上の戦闘は不可能として、撤退をいたす」


 「お待ちくだされ、それでは我らの立場が・・・」


 「約束どうり一戦はした、結果我らは敗れたのだ、違うと言うなら、

 あんたたち宣教師が、あの黄色い煙の中に入って祈るのだな」


 「きっと、黄色い神が降臨され、すばらしい芳香と幸福を与えてくれるだろう」


 こうして、ジンギギスタン軍は、すべて本国に撤収した。


 「おいおい、敵さん全部引き上げちまったぜ?」

 「俺たち勝ったのか?」「でもあの黄色い煙は何だったんだ?」


 アルゴンは、州公国アルゴン領に代わった。


 



 

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