第262話 布教活動

 俺は、俺のホームで最近、布教活動をしているやつがいると聞いた。


 なんでも、自分は「神より使わされた僕(しもべ)であり、神業を行えると」


 放置しておいてもいいが、そいつの神業とやらがどんなのか、

俄然興味が湧いて来た、意外とすごい魔法使いかもしれない。


 俺は、その布教者に会う事にした。


 難民センターの長に聞くと、今食堂にいるらしい、

食堂に行くと、それらしい男が1人いた。


 「あのう、失礼ですが、あなたが神より使わされた僕(しもべ)なのでしょうか?

私最近悩んでおりまして、ぜひとも神のお力におすがりしたいと・・・」


 その男は「ほう、それはどんなことですか?」と聞いてきた。


 「実は、気になる女性がいるのですが、彼女に気があるのかわからなくて」


 「そうですか、それでは私がうまくいくように神業を施してあげましょう」

 「ウマウマインドアハァーー」


 う、うそくせー、そんなんでうまくいったら誰も困らんて・・・。


 「あの、僕様は、疑う訳ではないのですが、目に見える神業を行えるとか」


 その男は、木の箱を持ち出してきた、


 「この箱の中に、銀貨を入れます、私が神業でこの銀貨を消して見せましょう」


 その男は、大きな掛け声と共に、箱を開けて、銀貨が無くなったことを、

俺に見せた、そしてまた箱を開けると、銀貨が出現した。


 その男は、どうだという顔をしていたので、俺は、


 「それでしたら、僕にもできそうですね、銀貨を金貨に換えて見せましょう」


 男は、そんなことできるか、といった顔つきで、俺に箱を渡してくれた。


 俺は男の前で、箱に銀貨を入れ、「今日の晩御飯は猫まんま」といって、

金貨を取り出して見せた。


 男は、目を見開いたまま、「嘘!」と言ってきた。


 俺は、面白かったので、金貨を銅貨に換えたり、宝石に換えたりして遊んだ、

もっとも俺の場合は、手品ではなくパーティクルによる変換だか・・・。


 その男は。めでたく俺のホームから追放となり、サリラに向かったらしいが、

その後の消息を知るものはいない。


 

 

 

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