第261話 聖職者

 おいらの名前は、フェレイラ・アルトゥル、ここでの生活がとても気に入っている。


 でも、あと2週間で、職を探さないと、この町を出て行かなければならない、

難民を収容している、この建物の長においらは、直談判した。


 「膝と腰が痛くて、とても仕事が出来ません!」


 そこへ、運悪く同室の男が、声をかけてきた。


 「あれえ? おめえ、この間風呂入ったら、

膝と腰、良くなったわ、とか言ってなかったっけ?」


 こらこら、ブラックジャックで負けつづきだからって、

そんなこと言わなくていいんだよ。


 この難民センターには、数々の遊具がある、

トランプとかいうのも、その一つで、遊び方も教えてもらった。


 おいらは、昔王都で、これと似たようなもので遊んでいたことがあり、

その欠点も良く知っている。


 実は、同室のやつには判らないように、絵札だけ少し端を削ってある、

いわゆるインチキである。


 難民長から、「それは本当なのか? そうなら働いてもらわねば」


 「もちろん、そんなことは、神に誓ってありません」


 「神って、どの神だ、この町神様いないぞ」


 そういえば、なんとか信者みたいな人いないな・・・、

頭の中に悪魔の囁きが聞こえた、それならばお前が教祖になればいいじゃん。


 そういえば、ブラックジャックで負けつづきの男も、

「お前には、神様が憑いているんじゃないか」とか言っていたな。


 よし、駄目元で、布教活動をやってみよう、

うまく教祖様と持ち上げられれば、最高の生活が待っている。

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