第260話 穀潰し

 おいらの名前は、フェレイラ・アルトゥル、都市スボンの港で、

船が入港した時だけ、臨時で手伝う日雇いの仕事をしていた。


 稼ぎはよくないが、自由にはかえられねえ、働きたい時に働き、

寝たい時に寝る、これがおいらのモットーだ。


 今日は、気分もいいし働くかと、港に行ったら、

ちょっどいい仕事があった、最近はアレーナの港からの荷が増えた。


 大きな箱と、小さな箱があり、それらを船から降ろす作業だ、

俺は当然、小さな箱を降ろす方へ向かった。


 ところが、箱は小さいのだが、意外と重い、これは何か聞いたら、

何でもノートとかいわれる、紙が箱いっぱいに入っているらしい。


 おいらは、普段、体を動かしてないせいか、たった1箱で膝と腰にきた、

おいらは、運搬責任者に言って、中座させてもらった、当然金は貰えない。


 そんな時に、流れてきた噂が、この荷の出荷元であるアレーナで、

難民支援をしているという。


 噂は、本当かどうかはわからんが、仕事が見つかるまでは、

朝・昼・晩食事が出て、昼寝付きらしい。


 おいらは、そんなに遠くはないし、腰さえよくなれば、

向こうでも、仕事にありつけるだろうと、アレーナに向かった。


 アレーナに到着すると、それはセブンスターダンジョンだと教えられた、

セブンスターダンジョンに着くと、その噂は本当だった。


 朝・昼・晩食事が出て、おまけに昼寝付き、最高だ!

穀潰しの俺にとっては、まさに天国だ!


 飯の量に関しては、ちょっと不満はあるが、味に関しては文句のつけようがない、

しかも、娯楽品まであって、おいらと似たようなやつらと、毎日、

食っちゃ寝の生活をつづけている。


 膝と腰も風呂とかいうので、暖めたら完治したみたいだ。


 ある日突然、難民を管理しているおっさんが、


 「働かざるもの食うべからず」とか言い出して、

 「おいらたちを置いておけるのは、30日までだ」と宣言されてしまった。


 そりゃ、そうだよな、こんな美味しいところ、他のやつも放っておく訳がない、

最近じゃ、ドンドン難民?が増えている。


 なんとかして、働かずにこの生活を守る方法を考えないと・・・。


 つづく。

 


 


 

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