第253話 王張偉

 私の名は、王張偉(ワン・ヂャン・ウェイ)、大三元帝国州広国の国王だ。


 そんな私の元に、極秘連絡が入った、大浩宇(ダー・ハオ・ユー)、

州広大飯店主人が私に謁見をしたいと言う。


 州広大飯店は、我が国においても、1、2を争う大店だ、

私は、即座に謁見を許可した。


 「御尊顔を拝し、恐悦至極に存じ奉ります」


 「堅苦しい挨拶はよい、それでなにようだ」


 「よろしければ、お人払いを・・・」


 王は、手を振ると側近、近衛兵は扉の外に退出した。


 「協会に出されたと言う、書簡の返答が私の元に来ました」


 「おお、それでなんと」


 「王張偉様が、めでたくモルゴンを落とした際は、

ダンジョンに復帰する旨にてございます」


 「そうか、戻ってくれるのか、これで上級ポーションの確保が出来る」

 「あとは、攻め込む日時だけだな、もうちょっと中央が弱ってからがいいか?」


 「しかしチョン・シスハンは馬鹿なやつだったな、あのダンジョンと、

ダンジョンマスターの重要性に気がつかないとは・・・」


 「世界広しといえど、上級ポーションと☆☆☆☆の魔石を作れるマスターは、

世界に10人といない、その希少性を知らなかったとは」


 「誠でございます」


 「要件はそれだけか?」


 「左様でございます」


 「うむ、後は諸侯たちと相談することにしよう、下がってよいぞ」


 「ははあ」


 こうして、大浩宇は退出をした、星野敬太の件は秘密だ、

切り札として取って置こう。

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