第93話 タチアナお嬢様

 孤児院の移設と学校の設立は、領主の許可が下りた。

ただし衣食住は、間違いなく其方で持てと誓約書まで書かされた。


 しかし、一番の問題はそこではなかった、タチアナお嬢様が、凄い事を言い出した。


 「この学園、教師が足りてないんでしょ」

 「私、読み書きできるし、数かぞえもできるわ」

 「それに、魔法も使えるから、教師として最高だわ」

 

 「子供に教えるのも好きだから、校長やってあげるわ」

 「月給は特別に100万ドラでいいわ」

 「ありがたいと思いなさい!!」

 

 はいー? 勝手に決められてるし・・、

まあ、一般人なら4~50万位だろうけど、

領主のお嬢様が、100万ドラなら安いものである。


 「あ、そうそう、この学園の名前は、タチアナ学園だからよろしくね」


 「へ?」

 

 要は、恵まれない子供たちに、援助をする領主様ということらしい。

つまり金は出さずに、名は取りたいと・・。


 まあ、こちらも領主のバックがあった方が、やり易いから、いいか。


「わかりました、その条件で結構です」


「じゃあ、まず学園を案内してくれるかしら?」


「はい畏まりました」と言って、俺は学園を案内し始めた。


 「ちょっと、外から見ていて、もしかしたらと思っていたんだけど」

「この窓、ガラス? じゃないの」「あの緑の板は何?」


 「ああ、あれは黒板といって、この白いチョークというもので、こうやって書くんですよ」


 この後、色々案内させられた。つづく・・


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