第92話 ポーションの秘密

 この星において、ほぼ医者というものがいない。

ただ似たような者は、存在する、薬師と祈祷師である。


 薬師は、様々な薬草を調合したり、ダンジョンから排出されるポーションによる治療をしている。


 祈祷師は、おもに教会が祈祷をおこなっており、わかり易く言うと回復魔法による治療である。


 今回俺のダンジョンでは、とりあえず薬師を置いた、治療院を作ろうと思う。

最初は、住人もほぼいないから、町医者程度の治療院で、人が増えたら大病院を検討しよう。


 で、ポーション類を増産していて、あることに気づいた。

これ結構やばくね?


 中級ポーション以上に、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)が入ってることが判った、

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は老化制御できる物質だ。


 地球上においても、NMNはブロッコリーやアボカド、トマトなどにも微量に含まれる食品成分だ。

NMNを飲むとすぐにNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)

に変換されサーチュイン(長寿遺伝子)が活性化、

老化を遅らせ認知機能や免疫機能の低下を抑える効果があるとされている。


 さらに、上級、エリクサーにおいては、既製品とはいえ、

新しいパーツが組み込まれることになる。


 しかも新しいパーツは、およそ50歳以下のパーツしかなく、

適合性が合えば、それ以下のパーツも可能となっている。


 要は何が言いたいかというと、若返りができるのである。


 つまり定期的に、上級又はエリクサーを飲んでいれば、

培養細胞の分裂回数に制限(ヘイフリック限界)までは、

若い体を保てることになる。


 もちろん限界を超えれば、死ぬことになるが、ピンピンころりを望むならありである。


 片や、祈祷師は、個人の回復能力×魔石のブースト(強化する)であるから、

実のところ、治療に関しては、ポーションより劣る。


 それでも、病は気からというように、まったくの効果がないわけではなく、

ポーションの出現前までは、主治療であり、未だ根強い人気がある。

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