第91話 ギルド休憩室

 とりあえず、ティーセット類を出した俺だったが・・。


 「ここじゃ食べずらいわね、休憩室に持って行きましょう」


 おいおい、だから出す場所聞いたじゃん、お嬢様。

そんな風に、お嬢様を見ていると、

煩いわねと言わんばかりに、キッと睨まれてしまった。


 しょうがないので、2人で運んだ、もちろんお嬢様は、運ばない。

休憩室に運んで行くと、もう1人の女性がいた、だぶん彼女も受付嬢なんだろう。


 「あ、もう休憩時間終わりか」「あ、お嬢様いらっしゃい」

 「この間はありがとうございました、おかげで新しい服買えそうです」


 「そう、それはよかったわね」


 俺ともう1人の受付嬢がティセットを持っていくと。


 「あれ、それはなんですか」


 「これは、菓子とお茶よ」「パトリシアの分も残しておくから大丈夫よ」


 「絶対ですよ」と言って、彼女は仕事に戻って行った。


 やっと、椅子に座った俺は、話を切り出した。


 「あの・・、それで募集の方はどうだっんですか?」


 「あ、その前に星野さんありがとうございました」


 「は?」


 「領主様に多額の寄付をされたそうで、私たちにも一時金が出たんですよ」


 へーえ、ちゃんと領民に配分しているのか、まんざら悪徳領主でもないようだ。


 「それで、募集の方ですが、結構来るのですが、場所を聞いて皆さんやめてしまいます」

「片道約2時間はちょっと」


 「わかりました、その辺はこちらで善処するようにします」


 「わたしからも質問があるんだけど」


 「はい、何でしょうお嬢様」


 「うちから、ヤシリギに行く国道なんだけど、途中で二股に分かれていて、

片一方はすごくりっぱな道が、あるんだけどあれは何かと」


 「あれは、俺が作っている町の、道路というものです、

わかりやすいように、道標の立て看板出しているんですが」


 「わかったわ、今度視察に行きます」

「ルデが食べたそうにしているので、まず食べてからにしましょう」


 それから2人は、俺が出したケーキを「美味しい、美味しい」

と恍惚の笑みを浮かべながら食べた、餌付けはほぼ完了である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る