第61話 ダンジョンインゴッド

 この国、ルガトルポという国の通貨は、ドラゴン略してドラと呼ばれている。

1ドラは、だいたい日本円で50銭位、つまり100ドラで50円位である。


 この星の通貨は、各国の思惑やら宗教によって、それこそ千差万別である。

ただ一点だけ異なる通貨が存在する、ダンジョンインゴット(金)である。


 ダンジョンインゴットは、この星のほぼ全世界で通用し、

50gと100g版が存在をしており、

しかも複製が難しい、魔封印がされており、信用が高い。


 ダンジョンインゴットとドラの為替は、50gで100万ドラである。


     ★  ★  ★


  アレーナの領主アレーナ・ジョゼは、口を空けたまま固まってしまった。


 なんせダンジョンインゴットの山、ドラに直して1億ドラである、

たかだか挨拶に来た程度で、大金の山である。


 俺は領主が、あまりにも動かないので、


 「そのフルーツタルトは、痛み易いのでなるべく早く食べてくださいね」

 「また要ができましたら、ご挨拶に伺います」

と言って、俺は帰ることにした。


 領主は「ああ」というのが精一杯だった。


    ★  ★  ★


 いち早く放心状態から回復したのは、娘のアレーナ・タチアナであった。


 「何ですの、あのホシイイノとかいう男は」


 「そうだな、これは神様がくれた、ご利益かもしれない?」


  「それより、そのフルーツなんたらを食べてみましょうよ」

 「あら、この透明な紙は食べられませんのね」

 「こっちの中身の方は、食られそうですわ」

 「う・・」


 「どうした、毒でも入っていたか?」


 「いえ、大丈夫ですわ」


 「どうやら、この透明な紙をほどいて中身を食べる物のようです」


 「なんだこれは、うまい、このような菓子があったとは・・」


 万が一を考え、俺はフルーツタルトの防腐剤は抜いておいた、

それでも2、3日は持つだろう。



 

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