ダンジョン編

第13話 ダンジョンの歴史

 実はダンジョンというのは、この星に元からあった訳ではないらしい。


 今から約400年前に、マルコ・コンティが設立をした、

地下迷宮や洞窟に限らず、塔・城・幽霊船などを、

総称してダンジョンと呼ぶらしい。


 ダンジョンマスターになると、ダンジョンコアというものから、

マナ(エネルギーみたいな物)が供給され。


 完全消滅か、ダンジョンコアが壊されない限り、

ほぼ不老不死状態になるらしい。

 また、マナの供給により、さまざまな物質を創造できるようになる、

わかりやすく言うと、パーティクルをコントロールすることができる。


 ちょっとした神になったようなもの、であるらしい。



    ★★★★★


 時は遡り、マルコ・コンティがどうしてダンジョンを、

設立したか説明していこう。


 今から約400年前、マルコ・コンティはアリタイ王国の筆頭魔導士であった。


 その頃は、まだ地上に魔物と呼ばれる物が多数生息をしており、

人々は彼らを恐れ、壁や塀を作り、さらに城・砦・都市などを作り、

一生懸命、身の安全を守るため、日夜戦闘を繰り返していた。


 コンコン、ドアをノックする音がした、

「入れ」

「マルコ様、例のものが手に入りました」

「これが、あのでかかった亀の魔石か」

「誘い込んで、穴に落として火責めにて倒しました」

「うむ、ご苦労であったな。王にはわしから報告しておこう」

男は一礼をすると下がっていった。


 マルコは右手で魔石を転がしながら、思った。

「結構硬いのう、それに思ったより、小さめか。

予備の魔杖の材料にでもするか、味はどんなものかのー」


 マルコが魔石を舐めていると、衛兵が駆け込んできた、

「一大事でございます、お・王が崩御しました」


 慌てたマルコは、魔石を飲み込んでしまった」

「なんだと、して死因は、どこぞの刺客にでもやられたか」

「いえ、腹上死にてございます」

「・・・・」


 王ジャンルカ・ロカテッリⅢ世は、国政にはほとんど興味を示さず、

放蕩三昧、しかも女好き、危惧していた矢先にこれか。


 慌てて王宮に向かったマルコは、2つの派閥が睨み合いをしているのを見た。

「おおマルコ殿、さきほど王が崩御なされた」

「ついては長男であらせられる、

マーク・ロカテッリ殿が喪主で葬儀を取り計らいと思うが、いかがかな」


 確かに順序的には、長男が長男が後を継ぐが普通だが、

王の血を濃く継いだのか、こちらも放蕩三昧、しかも女好き、

どうしたものかと、思案していたところ。


「お待ちくだされ、マーク・ロカテッリ殿は国政に向いておりません、

ここは次男のエミリアーノ・ロカテッリ殿が最適かと」

と次男派から横槍が入った。


 こりゃ困った、どちらに付くかで、一つ間違えれば、

王宮から追い出されることになるやもしれん。

 

 見れば、長男は武闘派、次男は武官派が多いように見受けられる、

うーーーん、迷った末に、マルコは長男派に付くことに決めた。






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