第8話 ブラックホール唐竹割り

 うーん、惑星ビリヤードは結果失敗だった、

もう少し目立つことをしないと、とてもではないが、

お呼び出しはこないだろう。


 しばらく宇宙を放浪していると、

なんかミョーに光のないのに、何かあるような天体を発見した。


 近くに行って見ると、暗黒に光が吸い込まれているようにも見える、

たぶんこれがブラックホールなんだろう。


 君子危うきに近寄らず、と思ったが、

これが爆発でもしたら、きっと目立つよなぁー。


 注目を浴びて、大宇宙管理局連合とか調査に来そうだよなー、

そうすれば、この暇な宇宙放浪も終わって、

人としての生活を、取り戻せるかもしれない。


 でも無理だよなー、

その時、心の中に反物質を使えば可能というワードが浮かんだ。


 確か何かのアニメで、物質と反物質が衝突すると対消滅を起こし、

質量がエネルギーとなって放出される、とか言っていた気がする。


 そもそも、反物質を作って、さらにコントロールするなんて無理、

と思っていたら、ここでまたも、心の中に可能というワードが浮かんだ。


 どうせここで暇もてあましているわけだから、

駄目元でやってみるのも、一興かとやってみることにした。


 まずは反物質を強制的にスリット状に形成、

ブラックホールの宇宙座標に、形成した反物質を重ねてみた。


「行けー、ブラックホール唐竹割り」

結果は割りと小さな爆発が起きた。


 なんとできてしまったのである、アンビリーバブル、

割と多めに反物質を形成しつもりだが、


 少し物質の量が勝っていたのか、原因不明で完全消滅とはならなかった。


 まあ小爆発で周りの惑星には、あまり影響はでないと思う?

ただ爆発のさい、出てきた光の輝きに、何かお礼を言われた気がした。


 さあ後は、大惑星連合とか宇宙治安委員会とかが、接触して来るのを待てばいい、

それとも宇宙海賊キャプテンなんちゃらあたりが先に来るかもしれない・・


 クスン・・、誰も来ない、結構待ったと思うんだが、

それらしき反応がまったくない、なしのつぶてである。


 まあ爆発した光が他に届くのに、何光年もかかるようでは当然か。


 仕方が無いので、また宇宙放浪するか、

幸い実体化しなければ、腹も空かないし、眠くもならない。


 24時間、戦えてしまうのである。 

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