第4話 見知らぬ天井

 「よう兄ちゃん、目は覚めたかな」


 頭はまだボーっとしているのだが、なんとか目を開けてみると

そこには、見知らぬ天井があった


 俺は、俺のことを見ている、おっさんに聞いてみた、

「ここはどこですか」


 「ここは、西貝村だ、兄ちゃんが飲み屋で、さんざん飲み食いをして、

金が払えないので、借金のかたにここに運び込まれたわけよ」


 「逃げようとか、変な考え持たないほうがいいぞ、

なんったてここは核燃料加工施設、警備も厳重だし、その筋もからんでるからよう」


「まあそんなに危険なとこには、配属されないし、

放射線被曝を超えたら、釈放なんで・・・」


「俺の名は、田中一二三だ、よろしくな、何かあったら俺に相談してくれ」


 やられた・・核燃料加工施設だと?


 この一二三も本名かどうかも分からない、

表は政府がやっているから、あれなんろうだけど、

裏は、人手が全然足らないとか、風の噂では聞いていたが、

こうやって人集めをしていたのか・・・


 で、さっそく翌日から、仕事をやらされた。


 俺のやる仕事だか、なにかというと転換試験棟にて、

硝酸ウラニル溶液を、沈殿槽にバケツで、流し込む作業である。


 核燃料になる前の下ごしらえで、そんなに危険はないとのことだった。


 問題は、バケツリレーで、7杯目を、沈殿槽に入れていた時におきた。


 青白い光が沈殿槽から輝きを放ち、あまりの眩しさに足を滑らして、

俺は、沈殿槽の中に落ちてしまった。


 やばいと思ったが、これで人生終了かと諦めた、

でもなんか痛みもなければ、暑さ寒さもない。


 ただ何か、体というか精神というのかよく分らないけど、

急激に小さくなっていくように感じた。


 まるで限界がなく、ドンドン小さくなる感じ、

線香花火みたいに、小さくなって、そして消滅か・・。


 うん? 何か小さくなるのが止まった気がする、

なんだ、なんか球体みたいなものに、張り付いた気がする。


 次の瞬間、白い無数の光を放つ、まるで宇宙空間みたいのが見えた。


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