第3話 ビストロパガジ
「まさかとは思うけど、ぼったくりバーじゃないよね」
「いえいえ、うちは良心的なビストロですよ」
「ビストロ?」 「あのフレンチを簡素化したとかいうあれ?」
「最近不景気で、料理が余り気味で、飲み放題、
料理7品のコースで3000円ぽっきり」
「ね、安いでしょ」
まあ、たまには、おしゃれな洋風っても悪くはないか。
「よし、あないせい」と御大臣風に言ってみた。
「畏まりました、だんな」
おお、こっちのノリに合わせてくるとは、結構できるな、こやつ。
店まで案内してくれるというので、いろいろ話してみたら、
なんでも、芸人の卵みたいで、先輩から声が掛かるまでは暇らしく、
社会勉強と実益を兼ねて、キャッチーをやっているそうな。
で、店に着いて、中に入ると二人組の客が一組、あと俺だけ、
こりゃ繁盛店ではないわな。
注文をとりに、定食屋のおばさんみたいのが来たので、
「料理7品飲み放題のコースがあると聞いてきたんだが」と俺は聞いてみた。
「はいありますよ、スペシャル7ですね」
「じゃそれで」と俺は答えた。
まずビールがジョッキで運ばれてきた。
一口飲んで、ん? なんか味薄くないか? ちょっと変な味もするし、
飲み放題だから、発泡酒にしたのかも?とかんぐった。
まあ飲まないと元とれないし、料理に期待をしよう・・はずれかな?
つづいて、お通しがやってきた、白菜と沢庵の盛り合わせ、
おい、ここ本当にビストロなのか?
ん・・、ここで強烈な眠気が襲ってきた、
仕事かなり無理をしてきたし、酒の酔いが廻ってきたか・・。
うとうとと眠りゆくなかで、何か声がした、
パガジてえのは、韓国語で、ぼったくりて意味なんだぜ。
星野敬太一生の不覚、で眠ってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます