第24話⁂琉生は既に死んでいる?⁂
ラーメン倉庫が炎に包まれ大惨事となったあの日、2002年6月某日。
幸三郎と琴美は、昴も連れて渋谷のラーメン倉庫の二階に上がった。
凄惨な現場となった部屋に入った3人が見たのは、おびただしい血の海で倒れた琉生と北山の姿なのだ。
「オイ!オイ!大丈夫か?オイ!」
幸三郎と琴美は琉生と北山に歩み寄り揺り動かす。
するとその時、2人に気付いた北山がムックリと起き上がった。
「ああああ~!良かった~!もうどうなったかと心配したよ」
一方の琉生は出血が酷くて既に息絶えていた。
「ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭琉生~!ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」
「よくも俺の可愛い琉生を殺したな~!許せない!許せない!許せない!」
すると北山が{琉生が…琉生が……悪いんだ!……………}延々と自分の自己弁護をする。
北山に完全にキレた父の幸三郎が。凄い剣幕でまくし立てている。
「クッソ——————ッ!この野郎!俺の大切な息子を殺しておいて………自己防衛ばっかりで……お前みたいな奴は真っ先に刑務所にぶち込んでやる……!それから……それから…お前たち………北山、それと…琴美……俺が何も……知らないとでも思っているのか……この野郎…よくも…よくも…俺の目を盗んで長きに渡り、乳繰り合いやがって…………クッソ———ッ!よくも騙してくれたな————!」
{その後誰かが凶器で北山を……殴り付けて・・?そして勢い良く炎が燃え上がったんだ。嗚呼ああああアア!でも……?肝心の犯人がぼやけてアア~?見えない…どうしてだ~?}昴は恐怖の断面を徐々に思い出す。
ですが{肝心要の犯人が全く思い出せない………!父親が物凄い目付きで罵っていたのだが……?誰かが居たような…そして凶器で北山のおじちゃんを殴っていた……?父…父ではなかった………それが誰なのか?}
2017年5月昴24歳は六大学最高峰K大学を卒業して警視庁に勤務している。
それでも昴は、今尚悪夢に苛まれている。
恐ろしい勢いで凶器を振り回す人物、それは男なのか……?女なのか……?
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昴は何故刑事になりたいと思ったかというと、今から彼此15年以上も前に起こった只の失踪なのか、それとも凶悪事件なのか、南砂町近辺で行方不明になった18歳から25歳までの、男性6人の行方を追っているのだ。
物的証拠も残さず誰かの手によって既に殺害されているのか……?
何故そんな昔の事件にこだわるのか?
実は父の幸三郎が、ポロッと口走った事が有った。
「琉生が関連しているかもしれない?」
その時は子供過ぎて何も分からなかったのだが・・・
あんな兄でも両親がラ-メン店の仕事で家に居ないのを、可哀想に思いよく公園に連れて行ってくれたものだ。
{あんな優しい兄にどんな闇があるのだろうか……?}
更には兄琉生と北山のおじちゃんの死亡原因を、何としても追及しようと躍起になっている。
それと高校時代の同級生山田君の事件も、未だ解決していない。
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アッ!そう言えば、その後八代先生更には葵ちゃんとはどうなったのか?
八代先生とは、大学2年生位まで連絡は取り合っていたのだが、その後八代先生は星友学園の教員仲間の体育教員、水嶋先生からの度重なるアタックに最初は辟易していたらしいのだが、いつしか打ち解け合い最近結婚したらしい。
一方の葵ちゃんとは現在進行形で、今はれっきとした彼女だ。
あんな渋谷のラーメン倉庫での、悲惨な火事や自分の周りで起こる不可解な事件も、全て受け入れて付き合ってくれる葵ちゃんには、本当に感謝感激。
{俺の全てを知った上で付き合ってくれる、この懐の深い葵ちゃんとならやっていける!}そう思っての事なのだ。
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