第18話⁂狂気の沙汰!⁂
2000年代初頭の事だ。
南砂町近隣で不可解な連続失踪が頻発していた。
一体何処に消えたのか?
もう既に殺害されているのか?
そんな折、南砂町の住宅街に立ち込む異臭に住民達は、恐怖のあまり眠れない日々を送っている。
余りの異臭に近隣で妙な噂が立っていたのだ。
「一体これは何の匂い?」
「この異臭はひょっとして行方不明の人達が殺害されて放置されている匂い?」
「どこかの家で遺体が放置されているのでは?」
*****************
どことなく幼さの残るこの男は、どう見ても20歳前後という所だろうか、まだ少年と言っても過言ではない風貌に加え、かなりのイケメン。
身長は180㎝ぐらいはあるだろうか、長身に加えサラサラロングヘアーの爽やかイケメン。
こんな子がゲイバー通いをしていれば、格好の餌食だ。
ゲイの井原という男は、レストランのマネージャーを務める26歳の青年。
(好みのタイプが居ないか?)物色中の井原は早速、このケンというこの店には到底 ふさわしくない、何とも魅力的な爽やかイケメンに釘付けになった。
このまだ青年と呼ぶには、はばかれる幼さの残る爽やかイケメン、名前をケンというこの男と直ぐ打ち解け合い親しくなって行った。
その後二人は店をはしごした挙句どちらからともなく家に誘った。
ケンは自分の部屋に誘う事を躊躇している。
かと言って井原の家は一時間以上も掛かる事から、祖母の家に誘った。
祖父は既に他界しており祖母だけ。
「家に来る?」
二世帯住宅の二階が空いているので、二人は二階で又飲み直した。
すっかりべろんべろんになった二人は、自然の流れで関係を結ぼうとしている。
「キミ・・・本当に可愛いね!」
「フフフ……そう?」
井原はこの美しい美少年ケンというこの男を、夢中で愛撫して行く。
すると何処に隠し持っていたのか、慣れた手つきでケンが金づちで思い切り頭を殴り付けた。
「ギャギャ——————————————ッ!」
「ウフフ!ウフフフフフ!嗚呼~!この血しぶき…………ああああ!タ・マ・ラ・ナ・イああああああ!アアア~!」
完全に息絶えた事を確認すると、後ろから我慢できずに屍姦した。
「アアアア~!フウ~!ああああああ!・・・いつもながらにスッキリ……する!」
風呂場で解体して、ゴミ袋に詰めるという陰惨なルーティンワークが、いつものように繰り返された。
祖母の家で犯行に及んだのは、母が自分の倉庫を監視していると思い込んだからだ。
このとき、記念に頭蓋骨を取っておくことにしたのだ。
ケンは井原を殺害して二ヶ月経ったある日、本屋の前で出会ったショ-ダンサーの青年に釘付けになる。
ケン好みの、筋肉質な如何にもゲイと思われる男性だったので声を掛けた。
如何せんこれだけのイケメンケンを断る相手などいよう筈がない。
いつもの手際で「家に寄ってく~?」
待ってましたとばかりに「OK!」
祖父母宅へ連れ込み、睡眠薬を与えると「アアアア————!嗚呼~!俺の……タ・イ・プああああ~~我慢できない!」
二ヶ月間封印した破壊衝動を押さえきれなかったのか、喉を掻き切ったのだ。
そして、いつものように解体しただけでは飽き足らず始めて「……ああああ!……ゴックン!……嗚呼~!どんな……味が?食べたい!」食人行為におよんだのだ。
「嗚呼~!ああああああああああああ…………!」
ケン二十歳の寒い冬の日の深夜の事だ。
キラキラ✨光る氷の粒や真っ白な雪の壁。
東京では滅多に見ることの出来ない、厳寒に舞うダイヤモンドダストの幻想世界。
おばあちゃんが高齢で寝入っている事を良い事に、ケンのイケメンぶりに吸い寄せられるように、とっかえひっかえ青年たちが訪れては消えて行く。
段々と行為も残虐性を増していくのだった。
まさに悪魔の所業に他ならない。
このときは何を思ったのか、川口という二十歳の学生が、余りにもドストライクの自分のタイプだった事から、一緒に生き続けるロボトミー手術を施そうとしている。
余りにもタイプ過ぎて、殺して写真と死体の一部を残しても、さみしさだけが募るから、それよりは自分の言いなりになる、理想の恋人を自分の手で作り出そうというものだった。
「ああああああああ!…………これで・・これで嗚呼~!…………やっと・・やっと………俺の望む・・完成系が作れる!……ああああああああああああアア!」
しかし、頭蓋骨に穴をあけて塩酸を流し込むという、おぞましい手術は失敗に終わり、殺害して結局いつものルーティンワークに立ち戻っている。
*ロボトミー手術*
【脳葉の神経回路を脳のほかの部分から切り離す外科手術。前頭葉白質切断術ともいう。かつては,統合失調症,双極性障害,その他の精神疾患をもつ重篤患者に対する抜本的な治療法として実施された。】
こんな到底人間とは思えない化け物、悪魔に変貌してしまったケンを、止める手立ては有るのか?
この行為の一部始終を見ている、まだ五歳にも満たない坊やが、物陰から見ている。
こんな幼子に…?計り知れない影響を与える事となるのだ。
そしてこのケン実は……?
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