第16話⁂琴美が琉生の部屋へ!⁂
ある日の事、琴美はもう直ぐ高校3年生になる琉生が、倉庫の2階に居付いてしまった事に、安堵と不安がない交ぜになりながらも{チョット暮らしぶりを見ておかないと?}と思いラーメン倉庫に向かった。
琴美もあれだけ北山にどっぷりとハマって、息子にまで目が行き届かなかったのに、えらい余裕ですね~?
一体どうして?
それと言いうのも、最近北山と琉生がまるで親子のように、仲が良くなってきている。
例えば「おっちゃん一緒に洋服買いに行かない?」
と言って肩に手をやり、まるで親子のように仲良く出掛ける姿を、頻繫に目撃しているのだ。
「エエエエエエエエ———————————?何故?」
琉生が北山を焼き殺したのでは…………?
じゃ~?あの昴が見た、真っ赤に燃え盛る炎の人影は、一体誰なのか…………?
またあれ程北山に、許し難い恨みを持っていたにも拘らず、何故一緒に仲良く出掛けるのか?
そこには驚愕の真実が隠されているのだ。
徐々にその理由も紐解かれて行くことになる。
もう北山も40歳に手が届く年齢。
あれほど北山との結婚を強く望んでいた琴美だが、2人の間に結婚話は出なかったのか?
実は幸三郎が店の拡張、拡張でそれどころでは無かったのだ。
大事業を興す事は並大抵の事ではない。
愛情も形を変えて変化して行った。
そして北山は若い奥さんと結婚して、琴美との関係も水面下で密かに続いているのだ。
全くあきれた話。
男と女は分からないもの。
それでも、この関係を幸三郎に気付かれるのも時間の問題。
あれだけ子供の頃は酷い虐待をしていたにも拘らず、一体どうしたと言うのか?
まあ~?奥様もいますし落ち着いて来たのだろう。
それでも琴美は嬉しくて仕方ない。幸三郎が忙しさにかまけて息子を放っらかし状態。
そんな自分の可愛い息子を、我が子のように可愛がってくれる北山に、感謝感激。
心穏やかに暮らす琴美だが、最近この近辺でとんでもない出来事が起こっている。
それと言うのも、最近この近辺で消息不明の若者が続出しているのだ。
勝手に家出したのか?誘拐されたのか?それとも変質者による犯行なのか?
一体何処に消えたのか???
そこで心配になり{我が家の息子も、何時そんな目に合うか分からない?}
そう思い取るものも取り敢えずに倉庫に向かった。
{まあ~?うちの息子に限ってそんな事は絶対にないだろう?}
自信に似た確証さえ感じている。
成績も優秀な方で、コツコツ努力をする昆虫採集好きの学生。
{これと言った心配事も無く順調に育ってくれた。俺たち夫婦も幸せ者だ!}
そんな風に高をくくっていた。
それでも余りにも放任主義過ぎてもいけないと思い、ラーメン倉庫のチェックがてら、{たまには息子の近況も知っておかないと?}と思い出掛けた。
それには、余りにも頑なに部屋への侵入を拒む琉生への、一抹の不安があるのだ。
まさかとは思ったが?
「琉生たまにはママがお部屋の掃除しないと?あんまり汚いとゴキブリが湧くから~鍵を置いて行って!」
「ママ大丈夫自分でやるから」
「それでも~?」
「絶対に部屋に入らないで!」
最初はやっと親離れが出来たのだと喜んでいたのだが、食事を取りに店にやって来るだけで、家には殆ど顔を出さない。
まあ年頃の男の子だから分からないでもないが?
それでもあんまり。
家族の触れ合いも全く無い、年がら年中倉庫に籠り、暇さえあれば森の中をうろついて回るなど・・・?
{何かあるのかも知れない?}
ある日等々我慢が出来ずに合鍵で部屋に入った。
「キャ———————————————!」
そこには猫やネズミにウサギ、更にはシマリスなどがホルマリン着けにされて居た。
それでも木村の生首のホルマリン漬けは、どこに行ったのか?
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