第14話⁂狂気!⁂
真っ白に雪化粧をしたキラキラ光る銀世界
1996年の1月某日、珍しく銀色に染まった冬の日の事。
まだ三郎軒の店主幸三郎一家がアパ-ト住まいの時の事だ。
それでも琉生は、アパ-トから学校が遠い事もあり、渋谷区のラーメン倉庫の二階に部屋がある事から、そこから高校に通っていた。
高校2年生の孤独な琉生は、唯一の趣味ロックコンサート会場で盛り上がり過ぎて、19歳の木村充という男とぶつかって、木村の飲料水をこぼしてしまった。
「ア~?すみません。今飲み物を買ってきます。何がお好きですか?」
「いい いえいえもう良いですよ」
ロックコンサートの帰りマクドナルドに寄って、ハンバーガーセットを頼んだ2人は自然と身の上話をし始めた。
琉生は極度の人間恐怖症ながら、この木村には何の躊躇もなく打ち解ける事が出来た。
音楽の趣味が合い、また琉生好みのタイプだったことから、自宅へ誘った。
琉生はこの木村を意識し始めている。
{俺は一体どうなっているんだろう?こんな男にときめくなんて?}
木村にして見ても遊びに行くと、店の余り物だと言って、唐揚げや餃子更にはラーメンをたらふく食べさせてくれるので、喜んで出掛けて行くのだった。
両親が店で忙しい事を良い事に、木村は度々この部屋に顔を出すようになって行った。
今までの忌まわしい出来事や、以前住んでいた頃の思い出を語り聞かせている。
琉生は、あれだけ人間恐怖症だったにも拘らず、木村の大らかな、屈託のない人柄にすっかり人と打ち解けることの喜びを知ってしまった。
ですが、そんな楽しかった日々も終わりを告げようとしている。
実は木村は、美容師専門学校を卒業して、いよいよ4月から千葉県の美容院に就職が決まったのだ。
やっと出来た友達と頻繫に会う事など到底不可能。
琉生は又以前の孤独な自分に戻るのが不安でたまらない。
そこで「就職先とアパ-ト教えて欲しいんだけれど?会いに行っていい?」
「あああ?俺忙しくなっちゃうから、会いに来てもらっても多分会え無いと思うよ?」
実は木村は時折感じる琉生の異様な眼差しに、違和感というか……?何か・・・異常性?を感じていた。
それでも、こんな貧乏学生には願っても無い美味しい料理を、これでもかと振舞ってくれる懐の大きさに惹かれて顔を出していたのだった。
琉生にしてみたら、命より大切な恋人を、今宵限りで失う切羽詰まった思い。
彼を失いたくない琉生は、手近にあったダンベルで木村をを背後から殴って、気を失ったところを絞殺した。
「何故?あんなに仲良くしていたのに・・・俺から・・俺から離れようとするんだ?
木村さん……アンタを失ったら…俺は又1人だ!・・・そんなのは絶対……絶対に嫌だ!なんでだよ~?アアア!………もうこうするしか・・?もうこうするしかないんだ……アアアア!こ・れ・で・俺といつも一緒!」
男性経験は初体験だった琉生だが、滴る鮮血に狂ったように這いずり回り。
「ああああああ!・・・お前が!・・・お前が!・・・悪いんだ~!」
泣きながら
死体を裸にして肛門を犯し鮮血を舐めて「ああああああ!・・・ウウウウッ!」
ナイフで腹部をブツブツに切り裂き、溢れ出す鮮血を顔や体に塗りたくり、血をたっぷり吸いペロリと舐め、その内臓を床に広げて血だらけにし、その上を転がって射精した。
「ワァアアアア!ア~~~~!嗚呼!キ・モ・チ・イ・イ!」
その後死体を床下へ運び込み、バラバラに解体した。
暫くは愛する男の亡骸を捨てる事が出来ずに、手元においていたのだが、腐敗しだしたため、首以外の部分はゴミ袋に詰めて近くの森に埋めた。
そして生首はホルマリン漬けにして、部屋の奥に隠して鑑賞しているのだ。
これが、琉生の初めての殺人なのだ。
こんな恐ろしい!そこはかとなく恐ろしい悪魔に変貌してしまった殺人鬼、琉生を止める手立てはあるのか???
事件はまだ只の序章にしか過ぎない。
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