第5話⁂三角関係!⁂




 あの日、山田君は卓球部の副部長という事もあり、顧問の八代先生と全国高校選抜新人合宿が11月30日から12月2日まで行われる為の打ち合わせに、いつもの打ち合わせ場所の体育館脇の事務室に向かった。


 山田君は、この星友学園きってのモテ男山本昴と、男子生徒全員の憧れの八代恵子先生2人の只ならぬ様子に(あの様子は普通ではない。あの先生の切羽詰まった、まるで愛しい男を見る目、絶対何かあるに違いない!)


 そこで物置小屋の陰に隠れて聞き耳を立てて聞いている。

 2人の間に男女関係がある事を確認した矢先に、フェンスが倒れてビックリした山田君は急いで逃げた。


 それでも果たして2人は、山田君を確実に見たのかと言いうと疑問なのだが、どちらか1人が見ていた。


 そして実はどちらか1人とは深い因縁があるらしい。



**********************


 ある日の事、昴と葵は一緒に家路を急いでいる。

 その時に男子生徒憧れの的、八代先生が車で後を付けて来た。


「あ~ら私も、山田君の家に事件の事で行く所なのよ~!昴君は山田君の近所でしょう?良かったら聞きたい事もあるから2人乗って行かない~?」


 2人は市営バスで帰る所だったのだ。


「あっ………あああ…あっハイ!」


 2人は思わぬ邪魔が入り、チョット迷惑そうに顔を見合わせている。


「さあ~乗った!乗った!」


「ありがとうございます」


 後部座席に2人は乗ってどれだけ経ったのか?葵が手を座席の下に忍ばせて昴の手をギュッと握りしめる。


 バックミラ―越しに八代先生の目がギラリと光り………。


「あなた達仲良しね~!付き合っているの~?」


 葵は「アッ ハ ハイ!」


 昴は咄嗟に迷惑そうに「違うってば~!」


 すると葵が顔をしかめて睨み付けて、ギュッと手を抓った。


 あれだけ付き合わないでと頼んだにも拘らず————

 内心穏やかではない八代先生は「まあ~若いって良いわね~」

 苦笑いを浮かべている。


 最初に葵を家まで送りその後山田君の家に向かった。


 車の中であの事件の核心部分について話し合っている。

「山田君と打ち合わせの日に、私と山田君は全国高校選抜新人合宿の事で話し合ったわ!その後、いつものように私も雑用に追われて午後7時半ごろ学校を後にしたのよ!その時に山田君のクラスにぼ~んやりロウソクの明かりのようにゆらゆら揺れる明かりが見えたのよ~?誰かが居た事は間違いない!あの夜の内に山田君は殺されたらしいのよ!あそこにいたのは犯人だったかもしれないわ?」


「でも?山田君は誰からも恨まれる奴じゃない。どうしてあんないい奴が何があるのですか?」

「そ……それが山田君、凄くいい子だけど、違う一面があるらしいのよ、強い子には良いんだけれど弱い子には酷い事していたみたいなのよ」


「それであんなマットでぐるぐる巻きにされたって事?」?


「もう!それより何よ?葵ちゃんとの付き合いは絶対やめて!お願い!」


「僕はもう先生の事は好きではありません。だからこれっきりにして下さい!」


「冷たい!冷たすぎ!今更何を言っているの~?あの時は『これからず~と一緒に居ようね!』って言ってくれたじゃないの?今更後戻りは出来ない!高校を卒業したら本格的に付き合おうって言ってくれたじゃないの?」


「あの時はあの時、気持ちが変わったんだ!」


 学校方向からかなり離れたあるお寺の境内に車を止めて、八代先生は後部座席に移り


「お願い私から離れないで!」

強引にキス⋆。*💋⋆。・をした。


「ヤ ヤメテクレ!」


「そんな事言うんだったら一緒に死んで!」


 そして昴の首を絞めた。


「ウックッ苦しい!ゴホッ何するんだよ!僕はもうこんなことしたくないんだ!」


「じゃ~?あなたの秘密学校中にばらまいてやる!そんな事をしたら葵さんはきっとあなたから離れると思うわ!」


「酷い女だな~!俺を脅迫するつもりか?」


 今度は昴がカ———ッ!となって「この野郎死ね———!」

 思い切り首を絞めた。


 昴の恐ろしい一面が現れたのだった。


「ゴホッゴホッ・・くくく苦しい・・・タタ 助けて———!」


「俺は絶対に嫌だからな!」


「何故?あんなに愛し合ったのに?あなたが私を捨てると言うからじゃないの?もう肉体関係もあるのに別れられる訳ないじゃないの?お願い!駄々をこねないで?私は何が有っても昴から離れないから!お願い!……そんなに別れたいのなら、じゃ~?もう一度だけ抱いて!」


 秋も深まった寒い境内には誰も居ない。

 日中だというのに八代先生は大胆にスーツも下着も脱ぎ捨て生まれたまんまの肌も露わに*⋆。💛*・*大人の色香をプンプン漂わせながら迫って来る。


{ああああ!葵ちゃんとは全然違う!アアアア~色っぽい!ああああ!我慢できない!💛💛💛}

 興奮した昴は我慢が出来ずに重なり合って*⋆。・💋*⋆

 腐れ縁でこれからもこの関係は………?


「ああああ?2人一緒に山田君の家に行ったら疑われるから、駅で降ろすから家に帰ってね」


 益々複雑怪奇に入り混じって…………。



























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