#7 八木対決!その2。明民書房の蘊蓄
「ぬうっ!あれぞまさしく『
「知っているの!?
「ほう…、知っていたか…
「あ、あれは江戸幕府中興の祖と言われた八代将軍徳川吉宗が…」
一年二組、宮下と呼ばれた女子生徒が説明を始めた。
□
江戸時代中期になると日本各地の大名達が商人に借金をし貧窮に喘いでいた。それは武家社会の頂点に君臨する江戸幕府も例外ではなく、諸藩と同じく借金に苦しんでいた。
そんな中、徳川第八代の征夷大将軍に就任した徳川吉宗は享保の改革を断行。経済活動に大きな意味を持つ貨幣が東の江戸は金を使うのに対し、西の
そこで吉宗は貨幣以外に経済基軸となっていた米に着目する。農民から毎年年貢として納められる米、これの活用により幕府の経済基盤を強固に…、そして米と貨幣の現物取引だけでなく次の収穫時期に
その吉宗であるが常に質素倹約を心掛けていた。江戸時代には広く庶民も一日に三度の食事を摂る習慣になっていたが、自身は
しかし米だけは美味い物を食いたいと考えていた吉宗は、全国各地で生産される米を食べ比べ常食とするものを選んでいたという。
米自体の味、あるいは具を加えず最低限の味付けのみで将軍御用達の米を選ぶその催しは、いつしか将軍吉宗のあだ名である
それぞれの米の産地や味の特色を伝える専門職『
〜
□
「
「米以外の物は最低限じゃあ…。具もほとんど入れられないよ…」
「チャーハンとか混ぜ御飯とかしかないかなあ…」
「いや、それ結構色々な具が入ってるっしょ」
集会が終わり一年一組の教室ではクラスの女子達が悩んでいる。
こ、これは僕がおにぎりを思い出して米って言ってしまったからか…。鶏肉と卵も言っておけば…、まだメニューに幅があっただろうか…」
鶏肉と卵も合わせれば親子丼とか出来るし…。あっ、玉ねぎが必要か…、何かと難しいなあ…。…って言うか、卵と鶏肉がそもそも使っちゃダメなんだよなあ…。
「それにしても…」
僕は思わず呟いていた。条件が同じなら二組は何を作るんだろう…?
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