第4話
その結果、サンディは――――
サンディを引き取りたいと熱心に言っていたお金持ちの家に里子に出ることを決めました。
そして、お金持ちの家に行ったサンディはその家のあまりの大きさに、お城にでも来たのかしら? と驚きました。
出迎えてくれたのは、サンディの新しいママになる……何度か会ったことのある綺麗な女の人。
「ようこそサンディ! 来てくれてありがとう! この家が今日からあなたの家で、わたしがあなたのお母さんよ。わたし、娘が欲しかったの。仲良くしてくれると嬉しいわ」
サンディの本当のママよりも若々しくて、優しそうな顔でサンディを歓迎してくれました。
「僕とは初めまして、だよね。今日から僕は君のお兄さんになるディアンだよ。よろしくね」
にこりとサンディに微笑んだのは、繊細な顔をした優しそうな男の子。
「よろしくお願いします、サンディ様」
この家に雇われているという使用人の人達が笑顔で挨拶するのでした。
お城のような大きくて素敵な家。
親切で優しい人達。
美味しいごはんやお菓子。
清潔であたたかく、柔らかなベッド。
自分だけの広い部屋。
他の誰との共用でもない、サンディだけのオモチャや本。自分専用の筆記用具。
サンディは、すぐにこの新しい家族達と環境とを気に入りました。
この家に来て初めてのサンディの誕生日にはバースデイパーティーが開かれ、初めてドレスを着せてもらい、ピカピカで艶々した
クリスマスには、家族全員が揃って祝い、プレゼントまで貰ったのです。
みんなが笑顔でサンディを可愛がってくれます。
サンディがしたいと言ったことは、新しいお義父さんとお義母さんがなんでも叶えてくれます。ディアンも、少し
それから、何年も家族として暮らして――――
ある日、成長してお年頃になったサンディは、自分がディアンに恋をしてしまったことに気が付きました。
ガリガリで痩せっぽっちで、虐められいてもずっとずっと我慢して、ママを待つことにしか希望を持てなかった可哀想なサンディは、もういません。
サンディは大きくなって、愛されることを知って、特別な誰かに愛されたいと願うようになりました。
そして、ディアンも成長して、いつしか線の細い、儚げな美少年になっていました。
綺麗な顔をした美少年が、いつでもサンディに優しくして、いつも笑顔でサンディを愛おしそうに可愛がってくれるのです。
ディアンは、サンディの王子様でした。
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