ひまわりを見上げる

ひまわりが咲くと

思い出す思い出が自分にはある


まだ自分が子供だった頃

その子もまだ子供で


いつもひまわりを見上げていた

あの頃のひまわりは

品種改良が進んでなく


一本立ちのやたら背が高くなる

ひまわりが普通だった


飼料に使うべく

そだてられてるひまわりたちは

ヘクタールの一面に咲き乱れてて


その子を探すのは大変だったけど

自分はそれを日課にしていた


突然、声をかけられた

自分は何も言えずにいた


その子は最後にバイバイと言った

そして自分の前から消えた


後に遠くへ引っ越したのだと

聞かされて

えらく落ち込んだのを覚えている



自分はその畑を受け継ぎ

今も毎年ひまわりの中にいる


その子も毎年ひまわりの中に居て

自分はいまも探す


変わったのはその子はもう自分の伴侶だということだ


それでも懐かしくあの頃の光景が浮かぶのは

未だに伴侶から

あの時、自分に何を言ったのか聞きだせないからかもしれない



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