第一部 ある少女の独白1
【ある少女の独白1】
変わらない世界がイヤでした。
変わらない人達がイヤでした。
繰り返される日々の中で、
私は変わりゆくモノを求め続けました。
だけど……何も変わりませんでした。
投げかけた声に、返ってくるものはありませんでした。
私を見ているはずの目には、なんの感情も浮かんでません。
だから私は……ある日、屋上に出たのです。
空はとても良く晴れていました。
雲一つ無い空がうらめしかったです。
雲のない空に変化はありません。
少なくとも私が感じることはできません。
まるで今の世界そのものです。
こんな世界……壊れてしまえばいいのに……。
だけど無力な私には世界を壊すことなんてできない。
こんな世界にいたくないのに、
こんな世界はイヤなのに、
無力な私にはどうすることもできない。
ああ……そうか……。
なんだ……簡単なことじゃないですか。
この世界にいたくないのなら、
―――私自身を壊せばいいんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます