第一部 ある少女の独白1

 【ある少女の独白1】


 変わらない世界がイヤでした。

 変わらない人達がイヤでした。

 繰り返される日々の中で、

 私は変わりゆくモノを求め続けました。

 だけど……何も変わりませんでした。

 投げかけた声に、返ってくるものはありませんでした。

 私を見ているはずの目には、なんの感情も浮かんでません。

 だから私は……ある日、屋上に出たのです。

 空はとても良く晴れていました。

 雲一つ無い空がうらめしかったです。

 雲のない空に変化はありません。

 少なくとも私が感じることはできません。

 まるで今の世界そのものです。

 こんな世界……壊れてしまえばいいのに……。

 だけど無力な私には世界を壊すことなんてできない。

 こんな世界にいたくないのに、

 こんな世界はイヤなのに、

 無力な私にはどうすることもできない。

 ああ……そうか……。

 なんだ……簡単なことじゃないですか。

 この世界にいたくないのなら、


 ―――私自身を壊せばいいんだ。

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