23.クリスマス(後)
ソファでイチャイチャして、甘えん坊な玲依ちゃんに翻弄されたけれど、何とか耐えきった自分を褒めたい……
そろそろ準備しようか、と玲依ちゃんに言われてふと気づいた。予約してくれたレストランって普段着で行ける所……? スーツならあるけど、もしかして着替え取りに行かないとダメかな?
「玲依ちゃん、今日のお店ってドレスコードある?」
「ちょっと待っててね」
「あ、うん」
「これ着てくれる? 侑に似合いそうだなって」
「え……?」
寝室に行って何かを持ってきた玲依ちゃんから手渡されたものを見れば、お洒落なワンピース。
「着替えさせてあげようか?」
「わ、大丈夫!! 向こうで着替えてくる!!」
脱がされそうになって慌てて逃げれば後ろから玲依ちゃんがくすくす笑う声が聞こえてくる。
凄く手触りがいいし、これってどう見ても新品……前に、絶対スカートは履きたくないとかってある? って聞かれたのってこのため……??
「ゆーちゃん、着替え終わった?」
「終わった、けど……」
普段着慣れないから何だか恥ずかしいし、絶対似合ってないと思うんだけど……スカートを履くことなんて友達の結婚式以来……?
「うん、やっぱり良く似合う」
「ありがと。これってわざわざ買ってくれたの……?」
寝室に入ってきた玲依ちゃんが私を見て頷いているけど本当かな……
「うん。スカートは絶対嫌、って言うならパンツスタイルにしようかと思ったんだけど、そういう訳じゃないみたいだったから、着て欲しいなって。あれ、照れてる?」
「まぁ……」
「かわいー」
ニヤニヤしながら見てくる玲依ちゃんは何だか楽しそう。まぁ、玲依ちゃんが喜んでくれるなら何だっていいんだけど……
玲依ちゃんがメイクもしてくれて、予約してくれていたレストランで食事をして、家に帰ってきた。夜景が綺麗なレストランで、髪をアップにした玲依ちゃんが凄く綺麗で色っぽいしドキドキしっぱなしだった。
何度むき出しの項に吸い寄せられそうになったことか……
私は絶対そわそわしてたと思うけど玲依ちゃんは落ち着いていて、やっぱり玲依ちゃんは大人だなって再確認。私が子供なのかな……?
「玲依ちゃん、お風呂入る?」
「待って。ちょっとこっち来て?」
「うん」
「ここに座って? 上目遣いして? うわ、やば……本当綺麗だよね」
今日はまずお風呂、と思っていたのに、なんかスイッチが入っちゃったのか写真を沢山撮られて恥ずかしい。いつも玲依ちゃんはこんな気持ちなのかなってちょっと反省。
「……もういい?」
「まだ」
お風呂の用意をしようかな、と思ったけれどまだダメらしい。
今度はなんだろう??
手を引かれて連れていかれた先は寝室。
「はい、ここ座って」
「あ、うん……?」
あれ、これってもしかしてそういうこと……?
「あの、玲依ちゃん……?」
「最近私が甘えてばっかりだったなって」
「いや、甘えて貰えて嬉しいけど……?」
「私だって侑を甘やかしたい」
ベッドに腰かけた私に跨って頬を撫でてくる玲依ちゃん。え、この体勢はちょっと刺激が……
「この前凄く可愛かったからまたシたいなって思ってて」
「えっ、私も結構我慢してた……んっ……」
最後まで言わせて貰えずに唇を塞がれて、この前ちょっとSな玲依ちゃんに抱かれた時のことを思い出してキュンとしてしまった。
息を整えながら隣を見れば、満足気な玲依ちゃんがにっこり笑ってキスをしてくれた。毎回抱かれてたら逆転してしまう……どっちかと言えば攻めたいから死守しなくては……!
「お風呂の用意してくるから待ってて?」
「だめ」
「一緒に行く?」
「そうじゃなくて、次は私の番ね」
「え?」
離れようとした玲依ちゃんを引き止めて組み敷けば予想外だったのか、キョトンとしてる。
「玲依ちゃんも欲しいでしょ?」
「いや、私はもう満足したけど……?」
「私だって玲依ちゃんに触れたいよ。ずっと我慢してたんだもん」
玲依ちゃんになら抱かれたっていいけれど、やっぱり抱く方がいい。
明日も休みだし、まだまだ夜は長い。我慢してた分、沢山玲依ちゃんに触れたい。
「侑ってさ、おっぱい好きだよね」
「うん。大きくて柔らかいし、感度抜群だし、大好き。でも誰のでもいい訳じゃないよ?? 玲依ちゃんのだから好きなの」
「変態」
「えぇ?? なんでっ??」
「自分の手確認してごらん?」
裸の玲依ちゃんが隣にいたら触るよね??
「いや??」
「まぁ、別にいいけど……」
やっぱり玲依ちゃんは私に甘い。
「ありがと。もうちょっとだけ」
「……んっ、ちょっと、触り方……ゃっ……」
あー、声やば……さっきまでの玲依ちゃんを思い出してまたシたくなる。
「ねぇ、もう1回、だめ?」
「……っ、まだ足りない、の……?」
「うん。まだシたい」
「お風呂入りたい……」
「じゃあ、先にお風呂入ろ」
この前は玲依ちゃんに襲われたけど、今日はお返しってことで。覚悟しててね?
「ゆ……う、洗ってくれる気、ある……っ?」
「もちろん。ちゃんと洗ってるよ?」
「んっ、手つきが怪しいんだけ、ど……っ」
やばい、楽しい。髪を洗い終えて、すっかり油断している玲依ちゃんの身体を手で撫でるようにすれば手を掴まれた。でも残念、片手は空いてるんだなー
「玲依ちゃんが感度いいんじゃない?」
「んっ……ちょっ……そ、こはいいから……っ」
「なんてー?」
「絶対、聞こえて……っぁ」
あー、可愛い……
「ほんっとに……ドSっ、変態……っ」
「ごめんなさい……」
逆上せてしまった玲依ちゃんがソファに横になって睨んでくるから、ラグに座って玲依ちゃんを見上げる。
もう一緒には入らない、とか言われちゃう……?
「はぁー」
え、こわ……なんて言われるんだろ……
「侑、抱っこ。ベッド連れてって」
「え、あ……うん!」
両手を広げてくるから、急いで立ち上がって抱きあげれば、ふふっと笑って胸に顔を埋めてくる。怒ってない……かな?
「侑、寝ないの?」
ベッドにそっと降ろして床に座れば、不思議そうに玲依ちゃんが聞いてくる。一緒に寝てもいいのかな……
「寝るけど、玲依ちゃんが嫌だったらソファ行こうかなって」
「ふふ、なんで?」
「怒ってない……?」
「怒ってないよ。でも、今日はもうほんとに無理だからね」
「うん。分かってる」
念押しするように玲依ちゃんが言ってくる。さすがにね、分かってます。
「なら良し」
「ごめんね」
「情けない顔しないの。まぁ、私も煽ったし……ここまでされるとは思わなかったけど」
「う……それは、反省してます……」
玲依ちゃんが可愛すぎて、しかもお風呂って声が反響するし、なんかもう止まれなくて……
玲依ちゃんを前にすると抑えが聞かないというか……だってさ、受けの時の玲依ちゃん、スイッチが入るとますます色気がやばいし、涙目でもっと、って煽ってくるんだもん……ほんと無理だって……
「おいで」
「うん……!」
「ふふ、本当わんちゃんだよね」
呼んでくれたから玲依ちゃんの隣に潜り込めば、くすくす笑いながら抱き寄せてくれた。幸せ……!!
「侑、おやすみ」
「うん、おやすみ」
すぐに玲依ちゃんの寝息が聞こえてきて、疲れさせちゃったなって改めて反省。
玲依ちゃんに包まれて眠るとよく眠れるし、玲依ちゃんを抱きしめて眠る時は腕の中で安心したように眠る姿に愛しさが溢れる。こうやって毎日一緒に眠れたらいいのに。
誰かの隣でこんなにも安らぐ日々を過ごせるなんて考えたこともなかったし、こんなに幸せでいいのかなって怖くなる。
ずっと一緒にいてって言って貰えても不安は尽きないけれど、もう逃げないって決めたから強くならないとね。
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