第2話
14時過ぎに仕事を切り上げた彼女から電話があった。今日は17時に美容室の予約をしたこと。それまで時間を潰したいからどこかでお茶しようということ。適当な店を調べて欲しいということを伝えられた。俺は近くの県立大学の陸上競技場で夏を感じ、夏っぽい写真を撮ることに勤しんだ後、時間をかけてぼんやりしている最中だった。競技場の隅の木陰で梅雨の終わったばかりの夏の空を見ながら、彼女が隣にいればいいのに。と少しは考えていたところだった。この前2人で見た映画のシーンみたいな夏の景色だよ。とは言わなかった。彼女がここには来ないということにも不満をやや感じた。でもそれを口にすることそのものが面倒くさいなと思ったので適当な近くの喫茶店だけ伝えた。
15分後、喫茶店には入らずに、喫茶店の目の前の不動産屋に仲良く入店した。同棲するアパートを探そうという話はずっとしていたし、「こういうのはタイミングが大事だから」と彼女が言ったからだ。その通りだと思ったが不動産屋のおばちゃんが言うには時期が悪いということだった。タイミングが悪いことがわかってよかったなと言いながら結局喫茶店に入った。
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