第6話 定め
帝様
かぐや姫が参りました
よし
ここに通せ
は
なんと
思っていたより
遥かに美しいではないか
今日から私の妃だ
いいな
はい
権助さま
なんと
かぐや姫さまの声が
今日は帝様がそばにおりません
目を閉じて
三つ数えて下さい
はい
権助さま
なんと
ここは
かぐや姫さまと
行った川ではないですか
どれほど
権助さまに
お会いしたかったことでしょう
私もです
かぐや姫さま
もう、これ以上
帝様に寵愛されるのは嫌です
でも、いつも私のそばにいますから
権助さまと
お会いできません
権助さま
川でまた
遊びましょう
はい
何
かぐや姫がいないだと
探すのじゃ
この広い屋敷を探すのだ
は
権助さま
帝様に気づかれました
せっかくお会いできたのに
でも
もうすぐ
満月の日が近づいて参ります
満月がどうしたのでしょうか
いえ
満月の日は必ず
月を見ていてください
約束してくれますか
わかりました
かぐや姫
どこに行っていたのじゃ
少し外を散歩しておりました
そうか
部屋の中だけでは退屈だからな
よかろう
かぐや姫は美しい
今日も私の胸の中で眠るとよい
はい
かぐや姫
今日は外を散歩でもするか
はい
外の空気はいいな
そうですね
ずっと私のそばにいてくれ
はい
王様
そろそろ
姫を
月に返してもよいのではないでしょうか
そうだな
かわいい
姫だからな
あの星の国の者から
寵愛を受けている
そもそも
お前と結ばれる約束だったからな
はい
もう
あの星で遊ばせてあげるのも十分だな
いい経験を積んだだろう
ただ
心配なのは
姫の月の力です
私が気をつけていましたが
王様譲りの力です
さすがは王様の子供
どうやって月に返せばよろしいでしょうか
満月の日に
迎えにいくことを
姫には伝えてある
ただ
姫はあの星の男ともう結ばれている
簡単に月に帰るとは思えないな
月の中でも力のある者を集めて
あの星へ舟をだせ
はい
そのようにします
帝様
話があります
なんじゃ
私は実は月の者です
なんと
ふざけたことを言うのだ
さては
わしをからかっておるな
それでは
帝さま
目を閉じてください
三つ数えて下さい
ああ
わかった
目を開けてください
なんと
ここは屋敷の中ではないか
いつの間に
これは月の力です
そうか
かぐや姫の話は
どうやら本当のようだな
わしは月の者でもよい
かぐや姫を愛しておるのじゃ
いえ
今度の満月の日に
月に帰らなければなりません
なんと
月から舟が迎えにきます
大丈夫じゃ
この国の強者を集め
屋敷を厳重に守り
月からの船から守ろうではないか
いえ、無理でございます
なぜじゃ
月の力は強いです
いや、なんとかする
次の満月の夜だな
はい
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます