第4話 糸赤石

かぐや姫よ

今日は3人の貴族がみえる

今までで一番の位の高い方たちだ

今日ばかりは決めなさい

さもないと私の命も危ないのだ

わかってくれ


わかりました




かぐや姫さま


私は衛門恭介といいます


私は佐伯川虎之介です


私は帝の子供である

矢野田左衛門といいます



かぐや姫

3人とも帝と血のつながりのある方ばかりです

今日ばかりは

わかっているな


はい


どうか私と


いや私の方がほかの者より金はある


私はなんといっても血はつながらないが帝の子です


どうか



わかりました

それでは条件があります


なんでしょう

私の力ならなんとでもなります


そうです


もちろんです



この国に糸赤石という宝石があるそうです

私はどうしてもそれが欲しいのです

それを取ってきてくれた方と一緒になりましょう


ああ、簡単なことですよ


そうです


心配いりません

簡単に探せますよ




おい、この国にに糸赤石という宝石がある

皆の者、全力で探すのだ


わかりました


どうだったか


それが何処を探しても

誰に聞いても知らぬと



北の国から南の国まで探すのだ


申しわけありません

どうしても手にいれぬことが出来ませんでした


そうか仕方がない




かぐや姫さま

どうしても手に入れぬことできませんでした


私もです


同じく


なんとかなりませんでしょうか


約束でしたね

それを見つけるまで私は待ちます

それでよいでしょうか


わかりました

待っていてください


同じく


なんとか探し出します




かぐや姫さま

やはり貴族の方とご一緒に


いえ、それはありません


なぜですか


私が条件をだしました


どのような条件ですか


この国に糸赤石という宝石を探したら

一緒になるということです


それでは、探したら

その方と


いえ、それはありません


どうしてですか


もう、忘れたのですか

権助さまからいただいたではないですか


いえ、私は糸赤石という宝石は渡したことはありません


いえ


この世にそのような石はありません


糸赤石とは

権助さまが最初に私にくださった

赤い花です

それが糸赤石なのです

私は権助さまと

結ばれるのです


いえ、それは出来ないではないですか


逃げましょう

ここから


それは無理です


大丈夫です


お父様、お母様

申しわけありません


権助さま

目をつぶって

三つ数えてください


わかりました




なんと

ここは雪が舞い散っているではありませんか


あそこに小屋があります

そこに行きましょう


わかりました


寒いですね


はい、そうですね


どうして

寒いところに来たかわかりますか


いえ


突然のことでわかりません


寒くとも

私の心は温かいのです

権助さまがそばにいるからです


私もかぐや姫さまのそばにいられれば

これだけ外が雪でも温かいです

でも、体が冷たいです


それは仕方がありません

でも、温かくする方法があります


権助さま

目を閉じて三つ数えて下さい


わかりました


権助さま


いけません

かぐや姫さま


これで温かくなりませんか


かぐや姫さま

私はこれ以上の幸せはありません

これ以上温かくなることはありません


私もです




神様

どうか満月にならないでください

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