第20話 夢路〈ゆめじ〉
酔い潰れた
酒は好きだが、元々あまり強くはない。
出された料理の美味さと思い出話が
まだ酔いは醒めていない、頭がくらくらする。
立ち上がったら倒れこんでしまいそうだ。
辺りは真っ暗である、おそらく夜中であろう。
酔い潰れた後、
小太り気味の
酔って潰れている体なら尚更である。
もうろうとする意識だったが
だが今は真夜中の様である。
謝罪をする為部屋を訪れる訳には行かない。
それと体が思うように動かない。
もう一度寝てしまおう・・・。
そんな意識の中部屋の中に人影がある事に
今は盆時期である。
故人である
これは
「おじさん・・・起きてる?」
心配して見に来てくれているのであろうか?
だが
いや、答えられなかったのだ。
今だ、もうろうとする意識下
間違いない
既成事実を作る気なのだろうか!?
だが
「おじさん、わたしは『
「
「でも『
「だから写真の中の『
「だけどそれ以外の『
「結局『
「わたしは『
「わたしはずっと『
「だけど気付いたんだ、わたしは『
「わたしなりに頑張ってみるって・・・天国の『
「やっぱり私にとっての最大の
「でも天国の『
「わたしは『
そんな意識下ではあったが、この言葉はなぜか
辺りはすっかり明るくなっていた。
小鳥達のさえずりが聞こえて来た。
頭がすごく痛い。
二日酔いである。
何度経験しても嫌なものである。
なのにどうしてまた酒を飲んでしまうのか。
すると
一緒の布団に入っている。
「おはよ、おじさん・・・。」
「昨晩は・・・す・ご・かっ・た・・・・・。」
やられた・・・、既成事実を作られてしまったのか!?。
そう思ってヒヤッとしまったが着衣は乱れてはいない。
あんなに泥酔していたのである、手を出せるはずはない。
そう思うことにより少し安心していると
そこには
「全く、あんた達は・・・。」
「あたしゃー、年上の息子が出来る前に『孫』の顔見せられる事になるとは想像もできてなかったよ!」
ひどい誤解である。
釈明しようと思ったが、
「おじさん! 子供は男の子がいい? それとも女の子?」
「わたしはおじさんとの子供ならどちらでもいい・・・。」
ますます話がややこしくなる・・・。
あっけにとられている政幸。
そんな
「まあ、冗談はそのくらいにして・・・。」
『わかっているのかよっ!』と突っ込みたくなったが頭がすごく痛い。
「朝ご飯できたから、センパイも食べてってください。」
白ご飯に卵焼き、焼き魚にほうれん草の和え物、そして味噌汁。
手の込んだ朝食である。
頭痛はあったが吐き気はない。
味もすごくいい。
特に味噌汁が体にしみわたり体の欲する栄養素を一気に染み渡らせる感覚がした。
「
「ついつい飲みすぎてしまって・・・。」
「おれ昔と違って太っちゃってるから重たかったでしょ?」
「そんな俺を介抱してくれてありがとう。」
「いや、別に気にしてませんよ。あたしも楽しかったし誰かの為に食事を作るっての今はなかなか無いから、たまにはこういうのも良いものだと思いましたしね。」
相変わらず
「もう、おじさんの浮気者。」
「伯母さんとばっかり話して・・・。」
「昨日だってほとんど私がおじさんを介抱してあげたのに・・・。」
「朝だって私が起こしに行ってあげたんだよ!」
「わたしにはお礼の言葉はないの?」
茉莉は顔を膨らませている。
「
ついでに礼を言ったような感じに取られそうだが、
チョロすぎである、今後が心配になる・・・。
『朝だって私が起こしに行ってあげたんだよ』って所が引っかかっていたのである。
あの真夜中の
夢だったのか?
あの時の
どうも気になったのでカマをかけてみることにした。
「朝起きたら、
「伯母さんと朝食つくってからおじさんを起こしに行ったんだけど、おじさんの寝顔見たらついついお布団に潜り込んじゃったの。」
今
伯母である
情事を行うにもあまりにも短い時間から出た言葉だったのであろう。
つまり
だが『寝顔見たらついついお布団に潜り込んじゃった』ってのだけは納得がいかない。
やはり真夜中のあれは
だが
やはり夢だったのだろう。
納得は出来てはいなかったが、
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