第19話 日記〈にっき〉
祖母と実母と育ての親である伯父に何を問いかけているのだろう?
一方
この親子にまんまとハメられていたからだ。
別に正直に話してくれたら逃げる様な事はしなかった・・・かもしれない・・・。
・・・自信はなかった。
それを考えるとこの行動は必然なのかもしれない。
よくよく考えてみると、逃げる必要も無い。
そもそも何で俺は不機嫌なんだ?
こう考えると馬鹿馬鹿しくなっていた。
死者との会話が終わったのか
「おまたせ、おじさん!」
いや、待ってなどいない・・・。
「おじさんと一緒に帰省したかったのだけど、おじさんに断れると思っちゃってどうせ
引き留める必要なんてない、
「おじさんここに私が居たら驚くだろうなと思っちゃって、ワクワクしていたよ。」
驚くはずはない、ここは
「そしたら夜寝れなくなっちゃってさ、朝起きたら寝過ごしていたの・・・。」
遠足前日の子供かと突っ込みたかったが突っ込んだらまた
「でもおじさんと結局会えた!」
「やっぱりわたしとおじさんは縁があるんだね!」
さっき、『伯母さんにお願いして引き留めてもらってた』という言葉はなんだったのだろう・・・。
何度その動作を繰り返しても
このまま部屋の隅までも繰り返すつもりなんだろうか・・・。
「
「ヤダもん・・・。」
茉莉は拒否して、政幸の肩に頭を寄り添わせている。
「いや、目の前の君の伯母さんが呆れ顔で見ているんだけど・・・。」
そこには食事の用意を終えて、配膳をしようとしていた
「見られも良いもん・・・。」
「全く
「おじさん迷惑がってるから、離れてあげなさい!」
そう言いながら配膳を行う
「さあさあ、離れた離れた!」
「
「えーっ、もうちょっとこうしていたいよーっ。」
「
流石である。
伊達に
メインディッシュは
故郷の産物といっても今の時代、このくらいのものは全国的に食す事はできる。
特に首都圏なら何でも食べられる。
だがこれは
ならば有難く頂くのが礼儀というものである。
出されたメインディッシュはビールとの相性が抜群であり、ついつい飲みすぎてしまう。
一体どこのキャバクラかよと突っ込みたくなっていたが、
「センパイお口に合いますか?」
「うん、おいしいよ。」
お世辞でも何でもない、実際にものすごく美味い。
「お好み焼きにするか迷ったんですけど、あればっかりはお店で食べる方がおいしいですからね。」
良い心がけである。
普通に家庭であれを作れるだけでもたいしたものだが、確かに家庭で作るより店の方が断然に味が良い。
それに
駅に着き新幹線から飛び降りると一目散にお好み焼きを食べに行っていたのだ。
まさに故郷のソウルフードであった。
その時も軽くビールを飲んでいたのだが、
昔の思い出話が盛り上がっていた事もあり非常に楽しい時間だ。
更に酒が進む。
「しっかし、この
「あたしゃー自分より年上の息子なんて欲しくはないよ!?」
「小さな時もおじさんの事好きだったけど、おじさんが居なくなった時に伯母さんがくれた、おかあさんの日記読んでたらね、ますますおじさんの事好きになっちゃったの!」
(
気遣いの出来る
彼女らしい・・・。
彼女は優しくて、気遣いの出来る女性だ・・・。
(
非常に心地が良い。
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