第五話 え、マジですか?

えーっと、この状況はどうしたらよろしいのでしょうか?


何故ロバート・ダフマン公爵様が私に挨拶を?

あたふたしながら挨拶を返しました。


因みに私は彼に会うのは初めてで…つまり初対面な訳で…何故?

困惑を隠さず冷や汗をかいているとダフマン公爵様に笑われてしまいました。

何故笑われた!!!

そんなあたふたしているのが面白かったのでしょうか?

わかりません…


「貴女は幼い頃と反応が変わりませんね。伯爵が再婚した時の祝賀パーティーの時に少しお話しさせて頂きましたよ?でも、幼かったので覚えていないのは無理もありませんよ」

「そ・そうなのですね。幼かった為、覚えておらず大変申し訳御座いません」

「気にしないでください。ミザリー嬢はお母様似で大変お美しく育ちましたね。」


へ?

美しい?

誰が?

この人目が腐ってますの?

紳士は誰にでもお世辞が言える素晴らしい人種なのですね。

とりあえず、ありがとうございますとだけ伝える事にしました。


「ミザリー嬢の話はノートン伯爵からも伺ってますよ。趣味で個性的な魔道具を作られているとか?機会が有れば是非とも見せて頂けたら幸いです。」

「そんな…大した魔道具は作れていませんよ…自分の生活を少しでも豊かにする為に作ってるので地味ですし…運動不足解消用の魔道具や室内で植物を育てる為の擬似太陽を作る魔道具とか…」

「生活を豊かにする魔道具こそ素晴らしいではありませんか?上手く行けば家族だけで無く平民の生活水準が上がるかも知れない発明は見た目は地味かも知れませんがとても素晴らしい発明だと思います!」

「あ・ありがとうございます…」

「あぁーこんな素晴らしいお方とお話し出来るとは光栄のいたり、是非とも落ち着いた場所でもっと語り合いたい…またお時間を頂けないでしょうか?」

「あの…お言葉は嬉しいのですが、私には婚約者が居ますので殿方と二人きりと言うのはちょっと…」

「それはそうですね…配慮が足りず、申し訳ありません…ノートン伯爵と3人なら大丈夫ですかね?二人きりではありませんので!」

「えっと、その…お父様に相談してみます…では…」


私は耐え切れずその場を逃げる様に離れてしまった。

なんだあの美丈夫は!!

大人の色気フェロモンが半端無い!!! 

しかも、そんな人にお話ししたいとか言われたら私はどうしたらいいのか!!

そんなもん分からないわ。


はあ…人と絡に関わって来なかったから上手くお話し出来なかった…つか、お父様や使用人以外の男性と話したの何ヶ月ぶりかしら?

アンソニー様がいらっしゃったのは半年前だから…半年振り?


うわー…どんだけ人と関わって来なかったのよ私…

今回の婚約を気に少しずつ人と慣れる様にしないと行けないわね。

いずれ伯爵夫人になるのですから他人とコミュニケーション取れないと社交に支障が出てしまいますのでお父様にも協力して貰って外に出して貰える様にしてもらはないアンソニー様にまたボヤかれる…


でも、あの夫人が納得してくれるかしら?

うーん…難しそう…


私が一人隅っこで唸っているとお立ち台の上にアンソニー様が立っていらっしゃってた。

何か挨拶でもされるのでしょうか?


「今からこの会場に居る方々にお話ししたい事がある。」


ん?

お話ししたい事?

何か今日しなきゃ行けない事あったかしら?

もしかして、婚約者発表とか!?

それなら私があの人目を掻き分けて行かなきゃ行けないの?

うわー緊張します…目立つの嫌だなぁ…


いろんな気持ちでドキドキしながらアンソニー様を見つめる事にした。



「ミザリー・ノートン伯爵令嬢。今日この日を持って君と婚約破棄をする!!!」


え?

マジですか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る