第3話 鍛錬
次の日ざっと女神に説明をもらった。
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力 :1
速さ :1
頑丈さ :5
魔法耐性 :100
魔力 :1000
剣力 :200
スキル:言語理解、刀身化、愛刀顕現
称号: 魔法界の神童
女神レイライちゃんの加護♪
剣神の加護
魔法師団団長の息子
氷の魔女ミサマクレンの愛息
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基礎能力で気になるのは剣力だが、これは別名戦闘力と言うらしい。
我の場合は剣豪としての強さを表している。
スキルに関しては
刀身化は己または触れている相手を刀に変えられるらしい。
愛刀顕現は刀との絆が一定に達したら刀を顕現させる事が出来るらしい。
剣豪たるもの刀を手放す時は無いと思うが、何があるか分からない異世界、持っていて損はないだろう。
称号に関しては
お飾りな部分が多く一定の条件とやらを達成したら発動又は進化するらしい。
今のところ発動しているのは、"レイライちゃんの加護♪"のみだ。
効果は{知覚強化、並列思考、
特に驚いたのが秋水世界だ。
異空間に我専用の修行空間を作ってくれたらしく、そこでは昔の秋水としての姿でも鍛錬が出来るらしい。
秋水として鍛錬した場合は
"力・速さ・頑丈さ"以外
エルフォート・ウォーレンの能力に反映されるらしい。
つまり赤子の頃から鍛錬が出来るのだ!
鍛錬の先に道があり、道の先に鍛錬がある。
鍛錬無くして最強には至れない。
才能に胡座をかいていては駄目なのだ。
と言う事で鍛錬いってみようか。
「『秋水世界』展開」
ウォーレンの身体から我の自我いや、魂そのものが抜けていく感覚だ。
気づいたらあたりはどこまでも続く青空と何もない地平線が伸びていた。
秋水世界展開中はウォーレンの身体は睡眠状態らしく、こちらから意識を戻さない限りウォーレンが覚醒する事はない。
今は夜だ。朝母君が起こしにくるまで鍛錬が出来る。なにせウォーレンの体には疲労はいかないのだからな。
まず素振り百回、型を百回、仮想戦闘訓練を百回、
おぉ!やる事がたくさんあるぞ。
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こうして剣力を高めつつ己の技を磨く生活を続けてはや4年。
3歳の頃からは秋水世界ではウォーレンとして鍛錬しているので"力・速さ・頑丈さ"も向上してきた。
我は5歳の生誕の日を迎えていた。
「おめでとう。ウォーレン」
いつも厳格な父が珍しく破顔して我の頭を撫でる。
「本当におめでとう。ウォーレンちゃん」
慈愛に満ちた表情で我を見つめ優しく包み込むように抱擁される。
秋水としての人生では両親からの愛の記憶はない。
名も知らない浪人に惨殺されたのだ。
赤子の時であった。
我を手にかけるその瞬間に我の顔を濡らしたのは我の血ではなくその浪人の血であった。
師匠であり、命の恩人である、
師匠は本当の父のように我に接してくれて愛してくれた。感謝してもしきれない程に恩義を感じている。
ただ、心のどこかでこういった血で繋がった家族との団欒や愛を求めていたのかもしれない。
胸中にじわじわと広がる暖かさと頬を伝わる冷たい優しさを噛み締めながらこのひと時を楽しんだ。
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「さぁ、ウォーレンも5歳になった事だし魔法師士としての修行を始めたいと思う。そしていずれは俺やミサを超える魔法士になってもらいたい」
「ウォーレンちゃんは私たちの息子だもの!出来るわ」
ずっと黙っていたが、ここで言うべきかもしれない。
「くっ『愛刀顕現』」
右手に3歳の誕生日の時に両親にせがんでやっとのことで特注した愛刀:
漆黒の鞘から刀身を抜く。
ただそれだけなのに流麗さを感じるその所作に2人が目を奪われているのが分かった。
2年間毎日愛刀を振る事から1日を始め、
愛刀を納めて1日を終え、
もはや凛扇は身体の一部になっている。
紫がかった刀身が冷たく光る。
心臓の鼓動が刃紋を伝わり、
切先まで我の神経が伸びるのが分かる。
今、我は剣と共に生きている。
「その事なんだけど父上、母上、僕は…
剣の道を極めたいんだ。剣で魔法士を倒して、この世界の最強に至りたい」
剣を極める。
我は今度こそ剣の頂きに。
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