第2話 女神の加護

「おぉ〜い聞こえてる〜??


 おぉ〜い剣豪さんや〜い!」


 なんだ騒がしいな。

 我は今ミルクをもらってとても眠いのだ。


「こんにちは〜女神で〜す♪」


「女神!?だと?

 なんだお前介入がばれるのではないのか?」


「短時間なら大丈夫よ」


「なんのようだ。というか頭の中に直接話しかけられるのは気持ち悪いな。姿を見せろ」


「だめよ。ふふっ。それこそバレるわ。第一貴方バブバフしか喋っちゃだめじゃない。」


 くそ。頭の中に女神の笑い声が響くのは形容し難い不快感があるな。


「貴方に私の加護をあげといたわ。

 説明し損ねたからね。」


「魔法の類ならいらんぞ。つまらんしな」


「ふふ。魔法師団団長の息子とは思えないわね。

 第一私の加護があったから貴方はこの世界の言語や情勢が赤子にしてすぐわかったんじゃない。

 だから感謝こそされど非難される筋合いはないわ。

 だいたい、夜な夜な抜け出しては本を読み漁る武士赤子なんて気持ち悪いもの作りたくはなかったわよ」


 そう。


 今の我の名はエルフォート・ウォーレン。


 我が転生したのは魔法師団団長エルフォート・ダンドールを当主とする大名家てきな家だったのである。


 なので将来は師団長を超える逸材になれると

 もっぱら噂が立っているみたいだ。


 なぜならその妻である、我の母君 エルフォート・ミサマクレンは元皇国魔法師団団長である。


 我が今住んでいるのはカラン王国でありその隣のコロン皇国が母君の故郷だ。


 二つの国はとても仲が良い。


 それもそのはず元は一つの国だったのである。カランコロン大帝国。といい。

 世界統一を達成した歴史上唯一の国だそうだ。


 そこから色々あって何ヵ国かに分かれたそうな。


 というか誰が気持ち悪い武士赤子だ。


「加護と他には何かあるのか?」


「ふっふっふ。よくぞ聞いてくれました!女神ちゃん頑張っちゃいました♪」


 なにやら嫌な予感がするな…


「直接的な攻撃の類はいらんぞ?つまらんしな」


「大丈夫よ。そういう貴方のみみっち…とても繊細な所は把握してるもの♪」


「みみ…まあいい。とりあえず教えろ」


「はいはい。じゃあ『能力式展開』って唱えてみて、心の中でもいいわ」


「分かったよ。『能力式展開』」


 力    :1

 速さ   :1

 頑丈さ  :5

 魔法耐性 :100

 魔力 :1000

 剣力   :200


 スキル:言語理解、刀身化、愛刀顕現


 称号: 魔法界の神童

 女神レイライちゃんの加護♪

 剣神の加護

 桃鬼一刀流開祖とうきいっとうりゅうかいそ

 赤松御弥左衛門あかまつみやざえもんのの弟子

 魔法師団団長の息子

 氷の魔女ミサマクレンの愛息


「なんだこれは魔力と称号がとんでもない事に…」


「ふっふっ、褒めてもいいのよ」


 腰に手を当てて胸を反らしながらドヤ顔を浮かべる女神が脳裏に浮かんで、とても癪に障る。

 というかこいつレイライっていうのか。


「俺は魔法を使わずに剣一つでだな…」


「いやいや、無理よそんなの、貴方は攻撃に直接的な魔法を使わずに剣で相手を倒したいんでしょ?

 そのためには剣に魔力を宿らせなきゃだめよ。じゃないと相手の魔力障壁は破れないわ」


「うっ確かにそうか。」


「第一それだけでも相当な難度よ。

 だから私は魔法の達人の家に転生させたのよ。対魔法士戦の英才教育のためにね」


「感謝するよ。スキルや称号の説明を詳しく教えてくれ」


「いいわよ。それじゃあまずこの才色兼備のレイライ様の加護は〜チッ」


「ウォーレンちゃん!!!起きたの!?!」


 母君!?今良いところなのに

 というか女神いま、舌を打ちつけたような…


 どうにも格好がつかない女神様だな。







 



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る