剣豪が魔法の世界に転生しました。剣一本で成り上がります。
くるくる胡桃
第1話 剣豪散る
剣に生き、剣を愛し、剣に散る。
剣と共にあった我が人生。
何一つ悔いはない。
微睡に身を委ねるようにゆっくりと意識を手放す。
ここに戦国を生きた剣豪 秋水の生涯が終わった。
終わったはずだった…
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「はぁ〜いこんにちは、こんばんは♪
女神だよん!!」
「剣に生き、剣を愛し、剣に「はいはいはい!!!良いから、もう一回カッコつけなくていいから」
「なんだ、ここは?貴様は誰だ。その面妖な姿はなんだ。物の
「もの…のけ?物の怪ですって?
この私が!?
生涯を共にしたい女神様3万年連続1位のこの私が?物の怪ですって?」
金色の髪の女の着ている白い羽衣の後ろからドス黒い妖気が見える。
やはり妖怪の類か、とりあえず謝罪した方が良さそうだ。ここには我が愛刀がないからどうにもならん。
「いやその不快にさせたなら申し訳ない。すまん。」
「ふっふっ…まあいいわ。それで何か質問はあるかしら剣豪さん」
凄く睨んでいるな。居た堪れない。
「我の人生は終わったはずだが?」
「ん〜確かに貴方の人生は幕を閉じたわ。
ただね、貴方のその存在を、いやその力を清らかな魂に戻す訳にはいかないのよ。
貴方の力が必要なの」
「我の力?我は剣の道で敗れた男だ。今更我が力などなんの役にも立たんだろう。我は最強には至らなかったのだから」
「確かに貴方は剣の道を極めたとは言えないわ。ただ極め損なっただけよ。貴方は極める運命だった。そう文字通り"最強"になるはずだったのよ。貴方の人生には外からの介入があった」
「介入だと!?どういう事だ?」
「もうダメ。私の介入がアイツにバレるわ。説明してる時間がない。貴方をある世界に転生させます。その力と意識を持ったまま赤子からやり直して、そこにもアイツの傀儡がいるわ。そいつを倒して、その先にあなたの…」
そこで秋水の意識が途切れた。
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そして今に至る訳だが…
我が転生した世界が問題だった。
ここは魔法とやらが支配してるのだった。
人は飛び、手のひらから水や氷や火の玉を出し、衝撃で地面を割り、遥か彼方の城を爆散させる。そんな世界なのだ。
どうしたものか。
剣一本でどうにかならないというから問題なのではない。
この武者振るいを抑えられないから問題なのだ。
我は昔から困難に立ち向かうのが好きだった。
権力や力に溺れている相手を完膚なきまでに叩き潰すのが好きだった。
我は今歓喜しているのだ。
超常の力を持つ者どもを刀一本でぶった斬る。
こんなに胸が躍る事があるだろうか?
しかもここには我を下したアイツとやらの傀儡がいるらしい。
最高ではないか!!
再び我は剣に生き、剣を愛し、そして剣を極めようではないか。
秋水。いざ参る。
と決意は固めたのだが、まだ私は赤子だ。
四つん這いにもならないのに、勇み足もいいところだな。
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