6-5・ビューティブ諸島

 夕方。四人はビューティブ諸島の一つで、中心地のホテルがある一番島へとやってきた。

 ホテルはコテージが数棟あり、プライベート空間があるとても有名なホテルで、一番島は一周一時間ほどで回れるほどの大きさだった。島は青く澄んだ海に浮かび、赤道直下の諸島なのでとても暑かった。

 夕方に来たため、青く美しい海はさらに茜色に染まって美しく、みんなその景色を見ようと、泊まりに来ている人々が白い海岸へ集まっていた。

「とっても暑い場所ね。でも初めてきたけど本当に美しい島。ここに光る巻貝がありそう?」

 サラは上着を脱いで腰に巻きながらルイーズに聞いた。

 ルイーズも上を脱いで腰に巻くと、周りをキョロキョロ見回しながら答えた。

「地図を見た時、ここの諸島が気になったの。でも流石に諸島のどこにあるかは、今から探ってみないとわからないわ。パパン門のときは確かに光る巻貝を感じ取れたんだけど、今度は何かが邪魔をしているような感じがして読み取りにくいの。とりあえず歩いてみよう」

 四人は一番島を歩き始め、まずは白い砂浜を歩いた。観光客を見ながら、光る巻貝がないか探す。

 しばらくして、ホテルの係の人が声をかけてきた。

「お客様。お泊りのお客様でしょうか?」

 ビューティブ諸島へは近くにあるネヴェイア国から船で来るしかなく、尚且つ、小さな島なので、ホテルのスタッフの中には泊り客の顔を覚えている人もいて、声をかけてきたのだった。

 レオがサッとスタッフの前に立つと、ティメオがレオの背に隠れながら杖を構えた。

「あぁすいません。ネヴェイア国から船で遊びに来たんですけど、気づいたら帰りの便がなくなってしまったんです」

 レオは船の往復便がもうないことを理由にして話してみた。

「そう……なんですね」

 ホテルのスタッフは、こんな客がいたかと必死に思い出そうとしているようだったので、ティメオは杖を軽く振ってスタッフに魔法をかけ、思い出せないようにした。

 すると、スタッフは本当に思い出せないようで、だんだん眉間に皺を寄せて思い出そうと頑張っていた。

「えっと……いつもならお客様の顔はすべて覚えているはずなんですけど……」

 レオはティメオにウィンクをしながら、すかさず話をフォローした。

「ご挨拶しましたよ、船で一番島へ来た時」

「そうですよね、申し訳ありません、思い出せなくて」

「いえいえ、スタッフの皆さまはとてもお忙しいでしょうから。構いませんよ」

「ですが船が終わってしまったとなるとお困りでしょう。どこか部屋が空いてないか探してみますね。さぁこちらへどうぞ」

 光る巻貝を探している途中だったが、スタッフの目が光るここでは大変探しにくく、とりあえずスタッフの指示に従うことにして、ホテルのフロントへと移動した。

 スタッフが空き部屋を調べてくれ、偶然にも一つ、部屋が空いてることが分かった。

「一つだけコテージが空いているようです。ベッドが四つございますし、ツインで二部屋に分かれているので、男女分かれてお泊りになることも可能です。いかがなさいますか?」

「それはとても助かります。ではそこでお願いします」

「はい、かしこまりました」

 四人は結局コテージを借りると、案内されたコテージへとやってきた。

「わぁ~綺麗」

 ルイーズはリビングから海を眺めた。

 リビングルームにはソファーが数個あり、開放的なウッドデッキから海はすぐそこだった。透明で魚が泳いでいる姿が見えるほど、とても美しい海が目の前には広がっていた。

「表の世界にも、綺麗な景色の場所があったんだね」

 サラがそうつぶやくのを聞いて、ルイーズは出身の表の世界を褒められて、凄く嬉しかった。

 けれど、その近くではレオがため息をついた。

「はぁ~、予定外出費だ。仕事とはいえ結構高かったな、ここ」

 レオは肩を落とした。

「経費で落ちないんですか?」

 ティメオが聞くと、レオは渋い顔をした。

「う~ん、チャレンジだけはしてみる」

「もし助けが必要でしたら、俺も証言しますから」

「ありがとうティメオ。助かるよ、ホント。じゃあまぁ、部屋も借りたことだし、堂々と光る巻貝を捜しに行けるな」

 四人は部屋から出ると、先ほどの場所から捜索を再開した。


 夜になり、一番島の道はライトアップされ、とてもロマンチックなムードになっていた。

 海へ飛び出した場所にはオシャレなバーもあり、観光客たちが素敵な夜を過ごす中、四人は観光そっちのけで聞き込みをしたりもしたが、一番島にはありそうになかった。

 聞き込みをしに行ったバーで、ビューティブ諸島の地図が置いてあり、一番島を捜索し終わった四人は、部屋に戻って地図を広げた。

「どうだ、ルイーズ」

「待ってね……」

 必死に探ろうとしたものの、やはり何かが邪魔をして場所を見つけることができない。

「なんでわからないんだろう。ここのビューティブ諸島にあることまでは分かるのに」

 ルイーズは目を開けると、ソファーの背にもたれた。

「この一番島にはなかったし、他の島も一つ一つ探るしかないな」

 夜を徹して、四人は一つ一つの島を捜索して周り、他の国も各チーム互いにこまめに連絡を取り合いながら、夜を徹しての大捜索を遂行していた。


 残り五個の居場所を掴めないまま、とうとう爆発の当日。

 流石に夜通し探し回っているルイーズ達にも疲れが見え始め、疲れたままだと、光る巻貝の居場所を掴みにくいということで、少しだけホテルの部屋で休むことにした。

 男女に分かれてベッドで少し休むと、ホテルのスタッフが朝食を持ってきた。

 四人は朝食を食べながら、地図を広げつつ、残りの島の確認をすると、ホテルをチェックアウトして、再び捜索を開始した。


 数個目のビューティブ諸島の島・八番島。

 ここの島は個人所有の島らしく、別荘が一軒だけ立っているプライベートな場所だった。

 ルイーズが今までよりも光る巻貝を感じるというので、椰子の木に実っている椰子の実に混じっていないか、というところまで隅々捜索していると、島の別荘から、誰かが出てくる気配がして、すぐに物陰に隠れた。

 四人が息を潜めて見ていると、別荘から出てきたのは何とヒューゴで、ルイーズはなぜはっきりと見つからなかったのかようやくわかった。

 レオはすぐさま他の命美めいみ使いへと合図を送り、ルイーズが必死に黙って見ていると、ヒューゴは今まで見てきたヒューゴとは違い、どこか寂しげな表情をしながら、のんびりと海岸へと歩いて行き、海岸に置いてあるサマーベッドへと座った。

「そこにいるんでしょ」

 ヒューゴから声をかけられ、ルイーズ達は顔を見合わせると姿を現した。

「やっぱり君だったね、ルイーズ」

 振り返ると、ヒューゴはルイーズを見た。

「ヒューゴ。残り五個の光る巻貝はどこ?」

「さぁね。どこへ隠したのかなんてもう覚えてないよ。頑張って探してみてよ。僕はここで見てるからさ」

「分かった、探してみる。みんなここにいて」

 そう言うと、突然ルイーズはヒューゴの元へと歩いて行き、ヒューゴを見下ろした。

 レオ達がいつでも攻撃できるように杖を構える中、楽しそうにルイーズを見上げると、ヒューゴはそっとルイーズの手を掴んだ。

「何、突然。僕に協力する気になった?」

「どうかしらね」

 ルイーズはヒューゴへ顔を近づけたかと思った次の瞬間、空いている方の手をヒューゴのポケットへと手を突っ込み、自分へ保護の力の結界を張った。

「……⁉」

「自分で探してって言ったでしょ?」

 ヒューゴの手は弾かれ、ルイーズがそっとポケットから手を抜くと、ルイーズの手の中には光る巻貝が五個、握られていた。

 光る巻貝はもう真っ赤になっていて、いつでも爆発しそうなほどだった。

 ヒューゴは最初驚いていたものの、楽しそうに笑った。

「はははっ、しっかり結界魔法をかけて見つからないようにしていたはずなんだけど、よくわかったね。こんなに早く見つかるとは思わなかったよ」

「早くなんてないわ。もう真っ赤じゃない」

「そりゃもうすぐ爆発するんだし、真っ赤なのも当然でしょ。でも真っ赤なバラのような色で綺麗でしょ?」

「えぇ綺麗だわ。爆発さえしなければね」

「爆発するから美しいんじゃない。でも僕は探してとは言ったけど、あげるとは言ってないよ!」

 すぐさまルイーズはその場から離れようとした。けれど、ヒューゴが魔法でいつの間にかルイーズをその場から動けないようにしていて身動きが取れず、ルイーズは自分の側へ光る巻貝を抱き寄せると、保護を強めた。


 レオ達とヒューゴの戦いが始まった。

 今までで一番激しい魔法の戦いで、閃光が激しく飛び交い、たまにルイーズの結界へ当たる閃光が木々の方へと飛び、木々が燃えながら次々と折れていった。

「ルイーズ! そのまま保護を強めてろ!」

 ティメオがヒューゴに攻撃をしながら叫んだ。

「うん! わかった」

 何も出来ない自分に苛々しながら、ルイーズはただ戦いを見守るしかなく、そうこうしているうちに、島へは次々と命美めいみ使い達が現れ、ノランも島へとやってきた。

「ヒューゴ。君が過去にも他の命美めいみ使い達と共に、表の世界を破壊する計画を練っていたことは分かっている。しかし百年以上生きていて、今でもまだ戦争が憎くて、表の世界を破壊しようとしているのか?」

「あぁそうさ。命美神めいみしん様からの罰も受け、百年耐えてやっと今、仲間たちの意思を継ぎ、こうして計画を実行しているんじゃないか。でも罰を受けていたとはいえ、君たちの先輩であることに変わりはないんだけど、どうして先輩に攻撃を仕掛けるのかな」

 呆れたようにヒューゴが言うと、ノランは何を言っているのかと言わんばかりの顔をした。

「それは困った先輩のせいではないかのう」

「そりゃあ、逆にますます恨みが強くなっちゃったからね」

 一人でたくさんの命美めいみ使いと戦っているはずなのに、ヒューゴはまだ力が有り余っているのか、隙が全くなく、逆に数名の命美めいみ使い達の方が怪我をしはじめた。

 ティメオ達も何とか攻撃をギリギリでかわしたり、互いにかばい合いながら、何とかヒューゴと戦闘を続けていて、ノランが怪我をした者を後ろへ下がらせると、ヒューゴは力を緩めるどころか、さらに力を強くしながら叫んだ。

「どこへ行っても人間たちは腐った奴らばかり。温暖化は進み、人々は憎しみあい傷つけあう。ここの島を見てみなよ。ここは一番沈みゆく島の一つ。国として機能できなくなり、人々は諸外国へ出て行った。ネヴェイア国みたいに石や木々を使って海の上に島を作って暮らしている者たちもいるけれど、それでも人々はまだ環境を破壊して命美星めいみせいを、光宙之命美神こうちゅうのめいみしん様を傷つけている。命美神めいみしん様はお優しい方ゆえ、表の世界の奴らに罰を与えることが出来ずに苦しんでおられるのに、我々命美めいみ使いが代わりに、命美神めいみしん様を傷つけている奴らに罰を与えないでどうするんだ!」

 ヒューゴが力を最大にして攻撃を仕掛けた。

 ルイーズは保護の力を使って無事だったが、ヒューゴの別荘などは、攻撃の残撃を受けて倒壊し始めていた。

 レオ達も攻撃を避けるのに精いっぱいだった。

「皆!」

 ルイーズがティメオ達を見ると、さらに数名が大きな怪我を負い、サラやレオも腕や足を、ティメオも左腕を怪我して、みんなあちらこちらから血を流していた。

「ティメオ! サラ!」

「はっはっはっ、怪我しちゃったね~。でも怪我だけでよかったね。命美星めいみせいはもっともっと傷ついているんだからさ。表の世界の奴らにはもっと罰を与えなくちゃ。ルイーズ、それを渡しな。じゃないと君も一緒に吹っ飛んじゃうよ?」

 ヒューゴがルイーズに手を伸ばしてきた。

「うっ」

 保護の力を強めていたので、大丈夫だと思っていたものの、ヒューゴは楽しそうにどんどん保護の結界に手を押し付けて、何としてでもルイーズの持つ光る巻貝を取ろうとする。

 ヒューゴが力をどんどん強めていくのに合わせ、ルイーズも力を強めていくと、保護の結界に手を押し付けているヒューゴの手からは火花のようなものが上がり、二人の力のぶつかりは激しさを増した。

 余りの激しさに木々は暴風のように揺れ、海は荒波のようになった。ノランやレオ、他の命美使い達も飛ばされないようにするのが精一杯の中、それでも、何とか身をかがめながら、ティメオとサラは必死にルイーズの名を呼んだ。

「ルイーズ!」

「ルイーズ!」

 ルイーズは絶対にヒューゴから目をそらさないまま、少しずつ体力や精神力の消耗を感じつつも、ティメオ達の声を力へと変え、必死に戦い続ける。

「ふぅ」

 力をそのままにしながら目を閉じて、ルイーズは今まで自分が過ごしてきた時を思い返した。

 確かに自分も傷つけられたこともあった。辛くて学校を休みがちになったこともあったし、母のエマに毎日泣きついた時もあった。ミスをしたり、同級生と喧嘩したりと、辛かった日々の方が多かったけど、でもそんな日々だけじゃない。楽しかった時もたくさんあったし、褒められた時もあったし、同級生たちと沢山笑い合った日々もたしかにあった。色んな日々があったからこそ、それをすべて乗り越えてきたからこそ、自分は成長することができた。

 今の自分があるのは、すべてを乗り越えてきたからこそあるのだと、ルイーズはそう思った。

 ルイーズはそっと目を開けると、何とか立ち上がり、ヒューゴを見つめた。

「ヒューゴ。人は誰しも傷つけられ、そして自分も誰かを傷つけて生きているの。でも人はそれを反省し、次へ生かすことが出来る。人を傷つけた分、痛みを知った分、他の誰かを助けることが出来る。確かに人は命美星めいみせいを傷つけてしまった。けれどそれを反省し、これから命美星めいみせいを守っていけるのも人なのよ!」

 ルイーズは、体の奥に今まで体感したことのないような力が沸き上がってくるのが分かり、自分の力を感じるままに思いっきり解放すると、命美星めいみせいすべてを保護の力を使って結界で包んだ。

 そして五個の光る巻貝を結界の外、中間圏へと保護の力を使って放りだした次の瞬間、結界の外で光る巻貝が爆発した。

 爆発はとても大きく、ルイーズが結界を張っていなければ、表の世界の半分は爆発に巻き込まれ、風圧は表の世界すべてに届き、表の世界を傷つけていただろう。

 力を使い切ったルイーズが結界を解き、その場で膝をつくと、粉々になった光る巻貝が風を伝い、世界中に赤いキラキラと光る小さな粒が幻想的に降った。その光景はまるで、表の世界を美しい命美星めいみせいへと導いているようだった。


 失敗に終わったヒューゴの顔は、今まで見たことないくらいの怒り顔へと変わった。

「お前、よくも光る巻貝を粉々にしたな。僕の愛しい人をこれ以上傷つけさせやしない!」

 ヒューゴは素早く杖をルイーズに向けると、ルイーズに火の魔法をかけようとした。

「〝火魔法!〟」

「あっ!」

 しかし、力を使い果たしたルイーズは反応できず、思わず目を瞑ろうとした瞬間、ティメオがすかさず魔法でヒューゴを後ろへと飛ばした。

「痛っ! またお前か!」

「ルイーズ!」

 ティメオの攻撃を皮切りに、ノランやレオ、そして大勢の命美めいみ使い達もルイーズを守ろうとヒューゴと応戦し、再び激しい戦闘が始まった。

 ルイーズは身を屈めると、さらにヒューゴから離れようと機会をうかがった。

 何度も頭上を魔法が飛び交い、たまにヒューゴから攻撃を受けそうになると必ずティメオが守ってくれた。

 ティメオもヒューゴの気を逸らそうと、わざとルイーズがいる方とは反対側の方の頭を狙い、魔法は髪ギリギリを掠めた。

「くっ」

 ヒューゴは思わずルイーズから目を離し、そしてルイーズはその機会を見逃さなかった。

 ポケットから、ゾエからもらった薬を取り出すと、ヒューゴだけにかかるように狙い、薬をばらまいた。

 すると、ゾエの薬は、かけられた者を石化する薬だったようで、ヒューゴはみるみる石化していった。


 ヒューゴの攻撃が止み、ティメオ達がルイーズの元へと駆けつけた。

 ティメオはギュッとルイーズを抱き寄せた。

「ルイーズ!」

「ティメオ、私は大丈夫よ」

 ルイーズの言葉を聞いて、ティメオは急いでルイーズをヒューゴから離した。

「ゾエの薬か。さすがじゃの。じゃが、この石化はすぐに元に戻ってしまう。急げ!」

 ノランがヒューゴに魔法手錠をかけると、レオや他の上級命美めいみ使い達は急いで、何重にもヒューゴを魔法縄で縛った。

 少しするとヒューゴの石化が解け、ヒューゴはバランスを崩して、その場で倒れた。

「……⁉ これは……石化薬をかけやがったな! クソっ、もう少しだったのに。余計な事しやがってルイーズ!」

 ヒューゴがルイーズの方を睨むと、その間にレオが立ちはだかった。

「あの光る巻貝はどこで手に入れた」

「内緒。言うわけないでしょ」

 その言葉を聞き、先ほど感じたことを、ルイーズはヒューゴへ問いかけた。

「ヒューゴ、さっきのあなたの言葉を聞いて気づいたんだけど、あなた命美神めいみしん様のことが好きなのね」

 ヒューゴは思わず目を逸らした。

「あぁ好きだよ。だからこそ僕が、命美神めいみしん様を守ってあげないといけないんだ」

「だったら尚更、あなたが表の世界を破壊してはいけないわ。命美神めいみしん様を傷つけているのと変わらないじゃない。命美神めいみしん様が表の世界を見守って下さっているならば、あなたもその意思を尊重すべきよ」

「違う、君は何もわかっていない。あのお方は優しすぎるんだ。だから僕が代わりに破壊してあげなくちゃいけないんじゃないか!」

 声を荒げて話すヒューゴに向かって、ルイーズは優しく諭した。

「表の世界も裏の世界も、どちらも命美神めいみしん様なのよ。あなたは百年の間、罰を受けたと言っているけれど、命美神めいみしん様はそもそも、あなたに罰すら与えていない。あなたが他の魔法使いより長生きなのも、魔法が使えなくなったのも、あなたが魔法使いと吸血鬼の両方の種族を持っているからなの」

 ヒューゴはそれを聞き、驚いた表情になった。

「そんな……まさか……」

命美神めいみしん様はあなたの事も、ちゃんと見守って下さっているわ。今回のことを反省して、胸を張って命美神めいみしん様に祈りを捧げられるようになって下さい」

 がっくりと肩を落としたヒューゴを、上級命美めいみ使い達が本部へと瞬間移動で連れて行った。

 ヒューゴが連れて行かれると、今まで気を張っていたルイーズは、その場で倒れてしまった。

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