第4話 怪我をしてものんびり
予定よりだいぶ遅れてしまったけれど、一時間くらいしたら目的地についたわ。
これでも頑張ったのよ。
でも途中で見かけた、重そうな荷物を持つおばあさんを助けてあげたり、会場の近くで泣いてる子供達に飴ちゃんをあげたりしてたから、しょうがないわ。
前世でもよく遅刻してたし、もう慣れっこ。
あの世界では、よく走る電車とかバスとかがあったから、移動に時間がかからなかったのが良かったわ。
おかげでたくさん寄り道しちゃった。
そうそう。
実は、目的の建物に入る時に、段差に躓いて転んでしまったの。
それで頭をうって、ちょっと痛い思いをしちゃったわ。
額がちょっと痛いけど、待ち合わせに遅れるのは良くない事だから。
私は急いで(といっても淑女の心がけとして早歩き程度に)社交界の会場へ向かう事にしたの。
あらら、おかしいわね。
通りがかり人達がみんなギョッとした顔をしてるわ。
何か服装に変な所でもあるのかしら。
淑女として服装の乱れは放置しておけないわ。
どこかでなおせたらいいのだけれど。
なんて、考えていると同じく遅刻をしていた、遅刻仲間のお友達が、子猫の入った箱(拾ってくださいと書かれている)を持ちながら私に話しかけて来たわ。
「貴方もまた遅れてきたのね。って、ドレスが真っかよ。きゃーっ、頭から血が出てるわ! 大変!」
あらあら、そういう事だったのね。
転んだ時に、怪我をして頭の皮膚が切れてしまったのかもしれないわ。
気が付けば血がだらだら。
衣服が真っ赤になってたわ。
皆が驚くわけだわ。
「あらっ? 何だか頭がくらくらしてきましたわ」
怪我を自覚したらその瞬間から痛みが強くなるってどこかで聞いたようが気がするけど、本当にそうね。
私は痛みと出血からのショックで、ばったり。
「ナナリーさん!? ナナリーさん!! しっかりして!!」
何と、貧血をおこしてしまった私はその場で倒れてしまったみたい。
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