第2話


 ……いえ、なんでもありませんわ。


 でしたら殿下は、その捕まえられてしまった動物がどういう風にお城へ・・・召し上げ・・・・られる・・・かご存知でしょうか?


 そのままお城に、ですか?


 いえ、まさか。そんな筈はありませんわ。


 まずは、専門の・・・お医者様・・・・の『診察』ですよ。はい、病気を持っていたら大変ですものね。お城の方に、迷惑となりますから。


 お医者様の『診察』がお済になったら、次は徹底的に『洗浄』しなくてはいけませんわ。ええ、そうです。不潔なままお城へ上がるなんてこと、仮令たとえ無知な・・・動物・・だとしても、とても許されることではありませんもの。


 ええ。『身綺麗にする』のは当然のことですわね。ダニやノミ、その他寄生虫や人に移る病気を持っていたりなんかすると大変ですもの。ダニやノミなどは、人間の血もすするんですのよ?


 では、次にすることはおわかりでしょうか?


 いいえ。お城へ・・・上げる・・・前に、どうしてもしなければいならないことがありますわ。


 わかりませんか? 『しつけ』ですわ。


 ええ、だって、誰彼構わずに吠え掛かったり、噛み付いたりしたらとても困りますもの。下手をしたら、飼い主にも噛み付いてしまいますわ。


 それは困りますでしょう? ええ、ですから、徹底的に・・・・躾なくてはなりませんわ。


 まずは無駄吠えをしないよう、誰彼構わず噛み付かないよう、教えなくてはなりませんわ。

 それから、『序列』を教え込んで、逆らってはいけない相手には『絶対服従』を。

 そして、それ以外の命令を聞いてはいけないということを教えてあげなくてはいけません。


 間違っても『粗相』をしないように。


 更には、『食事』についてはとても厳しく躾なくてはなりませんわ。


 ? 当然ではありませんか。だって、王族に飼われるのですよ? 誰からでも『餌』を貰って、下手に食べてしまって、もしもそれが毒入りだったらどうしますの?


 毒に拠っては、折角せっかく捕まえたペットがすぐに『台無し』になってしまいますわ。


 そんなことになったら、可哀想ですものね。


 それから……


 まだあるのか、ですか? 当然ですわ。


 だって、『生き物を飼う』のですから。『命を預かる』のですよ? 適当なことは、赦されません。


 そのペットがなにをするかで、『飼い主への評判』にも関わって来る重大なことなのですから。


 そして、『愛玩動物』も、動物です。

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