第6話 学校
「おはよー」
「おはよー、ねえ昨日大丈夫だった?」
一緒に下校した。ミサキだった。
「うっううん、まあまあかな」
昨日のことで頭いっぱいであいまいに返事してしまった。
「まあまあってなんかあったの?」
「いや、何もなかったよ」これ以上詮索されるのは嫌だったので、きっぱりと断った。
「ふーん、まあいいけど。そんなことより、昨日聞いたんだけどAクラスの男子がミスズのこと好きらしいよ」ミサキは楽しそうに言った。
「えっだっだれ?」
「風間くん」
「かっかざまくん」
Aクラスの風間君は背も高くサッカー部も上手で女子からも人気のがあった。イケメンらしいが、私のタイプではなかった。
「そう、かざまくんだよ。よかったじゃんカッコイイし」
「ううん、あんまり気にしたことなかったんだよね」
「まあ、これを機に付き合っちゃえば」
「いやいやいいよー。タイプじゃないしさ」
「意外と付き合っちゃえばなんとかなるもんじゃないの」
なんとかって、って言いそうになったけど、
いまは昨日の出来事で頭がいっぱいだし、受験もある。付き合ってる場合ではないのだ。
「はははは」
「あっごまかした」
授業中はずっとぼんやりしていた。
仮面のことユウナのことが気になって仕方がなかった。
「おい!かわい!!聞いてるのか?」
「はっはい!」変な声が出てしまった。
周りのみんながドと笑う。
「ここはテストで出るからなちゃんと聞いとかないといけないぞ」
「はい。すみません」席に着く
はあ、世界の危機なんだからさ。もちろんそんなことは言えないし
どうしたもんかなあ
「なにぼーっとるんだよ、ミスズ」
授業が終わってからミカが話しかけてきた。
「ううん、ちょっと考え事してた」
「ハッハッハー」大声でミカが笑う。
「そうだよミスズー。ハッハッハー」
そこへ、ミカと双子のミナがやってきて大声で笑う。
「まあ、でもミスズにしては珍しい、彼氏でもできたんでしょ」
彼氏という言葉を聞いて教室中の女子が集まってきた。
「えっ彼氏いるのミスズ」カナコが話しかけてきた。
「いないいない」手を振りながら答える。もううんざりだった。
「はあ」
仮面がぼんやり光っているように見えた。
みすずは手に取ってみてみる。
「もしかしたら、向こうの世界からなにか知らせがあるのかもしれない」
もう覚悟は決まっていた。
向こうの世界では私は死んでもこちらの世界に戻るだけだって。いっていた。
気づくと剣を握っていた。
行かなきゃ助けに。
そう願うと仮面が強く光りみすずを包み込んだ。
目をつぶり、向こうの世界を思い浮かべる。
ユウナ・・・
ショウタ・・・
Futatu no SEKAI YUTAKA @hinata_shibuya
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