第2話 成就まで

「利己心も邪心も無しか......どうやら、今ので達成したようじゃ!」


 神様は、重い腰を上げた。


「さてと......その願い成就させねばな」


 地上の大多数の人間達は、『困った時の神頼み』的にしか、神様を思い出し利用しようとしないが......

 中には、私利私欲ではなく、世の中全体の幸せの為に願うという美しい心のエネルギーを差し出してくれる人間達もいる。

 神様が耳を傾けるのは、その類の願いのみ。

 1人2人くらいの願いなら、相手にしないが、神様が担当している日本という国の人口の5%ほどの人々が、その美しい心のエネルギーを神様に発しているのであれば、神様も遂行に向けて動かなくてはならなかった。


「今回のは、ちと難題ではあるが、我が日本国民の為に一肌脱ぎますかな」


 しばらく座っていて、固まっていた身体をほぐす様に、手足を動かしてから、厳つい杖を持ち、久しぶりに振るった。

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