第14話 キスマーク
昼休み前後のディープ・キス。気がついたらそうなってた。すなは強引というか誘導が上手い。私が逆らえないのも知っている。
「すな、心が読めるんだよね。一角君の話じゃ今何してるかも過去に何してたかも…」
「ああ。できるだけみなかったことにしてるけど。できるかぎりは閉じてるし」
「わたしたちの関係早すぎるよね。もうじき二年生になるけどこの一年で口付けも一緒にねたりも…少し距離おかない?私このスピードについてく自信ないよ」
「やだね。ようするに怖いんだろう?俺に飲み込まれるのが。だけど俺はお前を最初の最初に飲み込んじまってる。手遅れだよ距離を置いても苦しいだけだ。きなはもうおれのものなんだから…恋愛に早過ぎるはないよ。お互いが求め合ってればすごい速さで距離は縮まるもんだ。すこし傷をえぐるよ。俺がお前を飲み込んだのはいつだったと思う?」
予報のチャイムが鳴る。
「考えとく。授業がはじまっちゃう」
「逃がさない。さぼれ。よく考えろ」
「お互いが退魔師だとしったからだよね?」
「ちがう思い出せ。俺が最初にディープ・キスしたのはいつ?なぜ?」
「……すなが私の中学の教科書みつけて……話したがらなかったからすな起こって…私怖くなって…口付けしてきた。そのまま抱き込まれて私話したんだ全て…それでお互い退魔師だって知って少し気を許した」
「違うだろう。気を許したのは抱き込んだ時だ。そんなに時間はかからなかった。お前が心を閉ざしてて開くのに精一杯だったから。開いたお前の心はもう手放せなかった。だから関係は急速に進んでるんだ」
「すな?」
「たった一度の失敗も許されないから。もう一度閉じたらもう開けない。だから距離を置く気ないよ。抱くところまで一気に行く。きなが恐怖じゃなく愛情を感じるまで、その間には多少傷をえぐるけど」
「すな…」
「わかった?」
「こわ…いよ…」
「気付いてる」
「うしなったらどうしたらいいの?」
「嫁にするっていってるだろう。俺が死んだらついておいで」
「普通そんなこと言わないよ」
「だけどお前に二人目を信じる余裕はまだないよ」
「だからついてこいとしか言えない。今は…だけど俺は簡単には死なないよ」
「今は…?」
「うん。退魔師という狭い世界じゃなく。普通の弱い人間達を許し愛せるようになるのが目標」
「ひどい事されてきたのに…酷いことしてきたのに…」
「自分を許してあげて、周りをゆるしてあげて、そして愛して。俺の課題でもある。一緒に進もう」
「すなも人を信じてないの?」
「俺も信じてないよ。今信じてるのはきなだけだ」
「すな…私だけへの愛の証頂戴」
「少し怖いよ」
この日、私はすなの首への愛撫を震えて受け入れた。私の心の中でなにかが剥がれ落ちるような音がした。家一緒に行ったらすながおにいちゃんに一発殴られたのはいうまでもない。
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