第5話 モルモットの召喚士

「うぉぉぉ!! 力が!」

神父「アーメン・・ そなたは・・そなたのジョブは「召喚士/農民」に決定したぞ。二つのジョブを同時に得たものは始めてじゃ。それからここだけの話。ジェニー話は知っておる。気を落とさずに頑張るのじゃ よいな??」


「神父様。最後に教えてください。」


「なんじゃ 改まって???」


「魔王って召喚しても罪になりませんよね?」


15歳になった朝、街の人たちが15歳のお祝いにと、俺に色々な事を教えてくれんだ。

ジェニーがどうして聖騎士様と会っているのか。

そしてダンジョンが発見された御祭騒ぎが終わったらジェニーはこの街を出て行ってしまうと言うこのも聞いた。

もちろん ジェニーにこの街に留まる理由なんてないだろうから 出ていく話はウソだろうけど いつかはそうなってしまうかもしれない。


早くジェニーをさらいたい。。


神父「案ずるな。私はそなたを信じておるぞ。それでは 召喚を見せてもらおう。皆の者もよく見ておくのじゃ この街で初めての召喚士の姿を!!」


「うぉぉぉ!!」

洗礼の力なのか? 心に呪文が浮かんでくる。

本当は魔王なんて言ったのはウソだ。

ドラゴンでも何でもいい。

ワイバーンでもスライム以外なら何でもいいんだ。

俺に力を・・力を貸してください・・



「尊き命の結晶よ、その姿をこの地に表せ!モルモット召喚!!!」



なんだって??モルモットだって?口から出てしまった言葉に思わず自分も驚いてしまった。


ボン!!!


煙の中から目の前に現れたのは三毛のモルモットの姿だった。

プイプイ プイプイ

右往左往するモルモットは 愛嬌を振りまくように鳴き声を上げて そりゃ可愛かったけど。

そうじゃないんだ。

でも その後も何度も繰り返すけど モルモットしか召喚できなかった。

そして連続で4体目を召喚しようとしたとき 背骨が魚の様にピクピクと痙攣して倒れてしまった。


神父「己の力以上の魔獣を召喚してしまったようじゃ。魔力オーバーじゃな。。」

教会の大衆からの声だけが耳の中に入って来て何度もコダマがした。笑い声だ。


あははは

がははは ネズミだぜ スライム以下だぜ。

でも 可愛いじゃねぇか がははは

ざま~ ねえな。


意識も遠のいて 消えかけてきたぞ。眠くなってきた。眠い・・

もう 夢の中なのか 頭の中に懐かしい声がコダマしてとても心地いい気持ちがする

「15歳おめでとう トシユキ。 私ね、逃げてきたのよ。助けて!! トシユキー・・。」

この声は ジェニーなのか・・ ここはどこなんだ。

早く起き上がらなくちゃ。

でも 体に意思が伝わらない

やっとの思いで瞳を開けると 

彼女のブルーの髪が見えたけど後ろを向いていたんだ。


待ってくれよ。ずっと会いたかったんだ。


だけど 体が動かない。それをいいことに聖騎士はジェニーに近づくと 

自分の白いマントを優しくかけて彼女のブルーの髪に触れ同情の言葉でもかけているようだった。


プイプイ?ボン!


あれ? 急に体が動くようになったぞ

立ち上がれぇ! オレ!!!


プイプイ?ボン! ボン!と煙を出して消えるモルモットたち

「ふざけるな!! うりゃ! 正拳突き!!正拳突き!!」


数発は放った「正拳突き」はほとんどが命中したけど 

だけど 再び背骨が魚の様にピクピクと痙攣して倒れてしまった。

意識が遠のく中これは 起き上がるのは無理だとわかった。



プイプイ プイプイ


教会の小部屋で目を覚ますと 一匹だけ残った三毛のモルモットが 心配そうに顔の周りを右往左往していた。

「お前さ 可愛いし見てると、なぜか幸せな気持ちが湧いてくるけど。でも 今はお前じゃないんだよな」

「プイプイ」


のんきなモルモットは ご飯をくれると勘違いしたのか鼻をヒクヒクさせて

エサをねだってきた。

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