人類が宇宙に進出した未来、遠い宇宙のどこかで目覚めた巨大な〝獣〟と、それを退治せんとする三人の人間の物語。
キャッチにもある通りスペースオペラ、宇宙を舞台にしたアクション冒険活劇です。
いろいろと物理学・工学系的な用語は出てくるものの、あくまで主軸は古典的な娯楽小説であり、難しいことはわからなくても問題ない、というのが嬉しいお話。
各種のテクニカルタームはあくまで物語を彩る小道具というか、作品世界に浸るワクワク感をしっかり煽ってくれます。
最大の魅力はやはり舞台が宇宙であること。もっというなら、「そうでもなければまず不可能なスケールの大きさ」です。
なにしろ解決すべき問題、すなわち狩るべき獣の大きさがなんと天体サイズ。普通ならまず対処不能の相手なのですけれど、でもそれをわりと白兵戦に近い形でなんとかしてしまう(!)、その鍵としての「異能」が印象に残ります。
細かいことや難しいことは気にせず楽しめる、ド派手なエンタメ冒険活劇でした。