第7話 ミウ様
「はじめまして。私は今回神様の代理で伺いました青木翔と申します。失礼ですが、ミウ様でしょうか?」
女の子はゆっくり顔だけをこちらに向けた。
「こんにちは。あなたが未来の神様なのね?」
澄んだ声だが遠くまで響きそうな声だ。
目を合わせると全て見透かされそうで怖かった。
「ハイ 以後よろしくおねがいします。」
一瞬ニコっとした様に見えたが・・・
すぐに哀しそうな表情になり語りはじめた。
「この世界はパパが私の為に創ってくれたモノなの・・・ 私はこの世界に閉じこもって100年を超えました。ソフトのメンテナンスは私がこなしているけど、ハードのメンテナンスは大変よ。ハードディスクドライブは壊れて少しづつ数を減らし、その度に画素数が減ったり世界が狭まったりしてきたわ。」
「閉じこもって100年ですか? まさかミウ様も私と同じ生贄の人なんですか?」
「生贄の人?私は生贄ではないわ。全身の筋肉が弱る病気なの。私の身体は仮死状態で冷凍保存され記憶だけがAIに引き継がれているの。ハードのメンテができて無いから、いつまでこうしていられるか分からないけどね・・・」
「ミウ様には様々な事を教えていただきたいのですがよろしいでしょうか?」
「私の知ってる事なら何でも話してあげるわ。何が聞きたいの?」
「百年前の大水害の事をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
ミウは一瞬考える素振りを見せたが・・・
「いいわ 教えてあげる。その前に・・・ あなたは月って知ってる?」
「月ですか? いえ見た事がありません。」
「そうよね? この展望台から西の空をご覧なさい。白い楕円形の様なモノが空に浮いているでしょう?それが月よ。」
「エッ? これが月? こんなモノが空に浮いているなんて・・・」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます