第6話 スカイツリー

「セバスチャンさん?東京は背の高い建物が多いですね。あの高層の建物に人が住んでいたんですよね?」


「ハイ 2020年頃人はあの高層マンションの一室を買ってそこで生活していました。残念ながら今は低層階が水没してしまって生活できる環境でなくなりました。」


「ところでこの線路は日向村まで繋がっているんですか?」


「ええ、2020年頃の日向村には繋がってますよ。”線路は続くよどこまでも”っていいますからね。」


「・・・・・・ ちょっと違う気がする。」


セバスチャンとバカ話しをしているうちにスカイツリー駅に到着してしまった。

・・・シマッタ!!

俺、ミウ様の情報を何もいれてない。

これが外交だったらこの時点で失敗確定だ。

俺は恐る恐るセバスチャンに訪ねた。


「ミウ様ってどんな人ですか?」


「気さくで話しやすい人ですよ。ただ、かなりのイタズラ好きなんで気をつけてください。」


「イタズラって・・・? どんな・・・」


駅をおりると天まで届きそうなタワーが俺たちを迎える。

眩しいくらいの青い空をシルバーのタワーが突き刺している様にみえた。


「ミウ様はタワーの展望台にいつもいらっしゃります。さあエレベーターで展望台に向かいましょう。」


俺たちは階段をあがってエレベーターホールへやってきた。


「まるで迷路の様ですね。いくつも扉がありますが・・・ 行き先はみんな同じなんですか?」


「ハイ ミウ様がイタズラしていない限りみんな行き先は一緒なはずです。」


「大丈夫ですよね?一元様お断りとか言われないですよね?」


「ミウ様はそこまではイジワルでは無いはずです。エレベーターが来ました。さぁ行きましょう。」


セバスチャンに案内され俺はエレベーターに乗り込んだ。

やがて扉は閉じて俺達を天へと運んで行く。

緊張で胃が痛くなりそうだった。

間もなく展望台に到着し、ゆっくり扉が開いた。

ガラス張りの壁からは空と地上の境目がのぞいていた。


「さぁ翔様、到着しました。ミウ様はカフェでお茶しながら、のんびり下界を眺めている事が多いのでそちらに行きましょう。」


俺達はガラス張りの床を恐る恐る渡った。


「イタズラして床を抜かれる事なんか無いよね?」


「翔様、あなたは5年後には神様なんですよ。もっと自信をもって堂々としていてください。」


「分かりましたセバスチャン。今日は神様の代理として恥ずかしくない様にします。」


カフェにやって来ると、一人ポツンと窓際に座り外を眺める女の子が居た。


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