迷宮病と魔人化

迷宮病と魔人化


[迷宮病]

 何日も地上に戻らずに迷宮に居続ける、または迷宮と地上の往復を休みなく繰り返すなどすると、迷宮の瘴気に体が蝕まれ、さまざまな症状が起こります。これが迷宮病です。

 地上の光が眩しく感じる、暗い場所を好むようになるなどの軽度の症状から始まって、幻聴、幻覚などを経て、思考力の低下や凶暴化などの症状が出始めると末期です。末期になってなお迷宮に潜り続けると、最終的には魔人化を引き起こし、地上への復帰は不可能となります。

 発症までの期間は個人差があります。また軽症のうちに適切な治療をすれば、一応の社会復帰は可能です。


[魔人化]

 迷宮病の末期になってもなお迷宮から脱出しなかった場合に起こる最終段階です。もはや意思疎通は不可能で、食事も灯りも必要とせず、生前に執着したものを機械的に追い続けて迷宮を徘徊し続ける人と魔物の中間物と成り果てます。

 その階層の魔物よりも数段強く、そこに生前の強さも上乗せされる大変危険な存在です。自身が執着するものを冒険者が持っていた場合、躊躇いなく襲い掛かり奪い取るでしょう。



[現在迷宮内で確認されている魔人]

〈魔人ハルディン〉

元冒険者のハルディンが、迷宮病に冒されながらも故郷の家族の為に迷宮に潜り続けた結果。

地下五階で魔人化したらしく、そのまま地下五階を生息地として徘徊する。右半身が魔物の組織と混じり合い、右の額からは大振りの角が生えている。

◆性質:無差別に冒険者を襲い、持っている貨幣を根こそぎ奪っていく。地下五階の一角に、今まで集めた金を積み上げた”巣”があり、ここから一枚でも貨幣を盗むと、たとえ巣の外にいたとしても即座に察知し、激怒して迷宮入り口まで追いかけてくる。


〈魔刃シロキリ〉

『白斬りサムライ』と呼ばれたサムライ、ヒサメが転移呪文で壁に埋め込まれたまま徐々に魔人化し、十年後の迷宮更新の際に最下層の地下八階に吐き出された。

そのまま地下八階を生息地として徘徊。ハルディンと違って、目以外は普通の人間と大差ない。

◆性質:「白い服」を着ているものを執拗に狙う。通常の冒険者なら対策は簡単だが、白のサーコートが制服の白の騎士隊にとっては危険な相手。

 武器は持っていないが、その手刀から繰り出される斬撃は刀そのもの。そのため魔『刃』の字があてられている。


※いわゆる世界樹の迷宮でいうところのFOEです。

迷宮内での舞台装置として、ご自由に作品内に登場させてください。ただし、彼らはおおむね迷宮の主と同等かそれよりほんの少し下くらいの強さです。

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