第7話 シックスパックになりたい

シックスパックになりたい。心から思った。

昨日、水泳の授業があった。

そのとき、なんと皆の腹筋がほとんどシックスパックだったのだ。すごっ。

対して僕は縦に少し割れているくらい。というかあばら骨が浮き出ている。

腕の筋肉と背筋は和太鼓をやっているからか、かなりある。しかし、それ以外がダメだ。


僕もシックスパックになりたい!


筋肉をつけるために、まずは上体起こしを三十回、仰向けに寝転がって足を少しあげてキープするやつを三十秒、又割り十五秒を三セットやった。

鏡を見る。……やはり腹筋がないが、汗で光っている。

でも仰向けになって体を起こしたときにはかなり硬い。

母さんに見てもらったら、

「腹筋はあるわよ。足の筋肉はひどいけど。」

と言われた。

なら、何で僕はシックスパックじゃないのか聞くと、

「あんたが痩せてるからよ。」

何だと。じゃあ僕はシックスパックになれないのか……

「まあ私達の子供だからいずれ太るかもしれないわよ」

違うんだ。僕がつけたいのは脂肪じゃない。

筋肉なんだ。

「腹筋より、まずは足の筋肉をつけた方がいいわよ。スクワットでもしたら?」


スクワットをしながらゲームを二十分くらいやった。汗の量がヤバイ。

その後又割りをしたが、十秒しかもたなかった。足に力を入れてもどんどん体が沈んでいく。若干足が硬くなっていた。

……まあ乳酸がパンパンになっているからだと思うけど。


シックスパックになりたい。

あれを毎日しないとあれには届かないのだろうか。まあ毎日しても届くかは全然わからないが、やらない限りずっとこのままだ。


道のりは長そうだ。









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